2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel murine model and potential treatment by a DNA aptamer in Hunner-type interstitial cystitis and
Project/Area Number |
22K16788
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 佳之 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20529135)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ハンナ型間質性膀胱炎 / モデル動物 / IL17A |
Outline of Annual Research Achievements |
【本研究の目的】 間質性膀胱炎(ハンナ型)(以下、HICと略称する)は著しい頻尿や尿意切迫に加え、強い下腹部・尿道痛を伴う原因不明の慢性疾患であり、泌尿器科領域では唯一の指定難病である。HICの炎症特性は未だ不明な点が多く治療薬開発に繋がる標的の特定には至っていない。申請者らは最新の研究において、HICとBCG膀胱炎(BCGの膀胱内注入により誘発される慢性膀胱炎で、頻尿・膀胱痛などの臨床症状を来すとともに、組織学的に膀胱上皮の剥離や著明なBリンパ球浸潤を認めるなど、臨床病理学的にHICと極めて類似した所見を呈することが知られている。)の網羅的遺伝子発現解析を行い、HICでは特異的にIFN-γやIL-17の発現が亢進していることを突き止めている。本研究ではまず上記自己免疫性膀胱炎モデルの再現性を高めて洗練化し、HIC動物モデルとしての確立を目指す。その後、申請者らが開発した核酸アプタマー医薬であるIFN-γアプタマーやIL-17アプタマーの膀胱内注入による薬効検証を行い、ヒトへの実用化へ向けた治療薬開発を最終的な目標とする。 【2022年度実績】 初年度はHICモデル動物の再現性について検証した。複数回の実験を繰り返し、このモデルがHIC様の膀胱組織炎症像や頻尿、膀胱痛などの症状を高い再現性をもって表現できることをを確認した。つぎに、標的分子の探索を行った。遺伝子発現解析により、本モデル動物ではIFN-γ、IL-17Aともに発現が亢進していることを確認できた。今後想定する治療は経尿道的膀胱内投与であるため、どちらを標的にしても比較的安全であると思われるが、より高い安全性を目指すため、標的分子をIL-17Aに絞り込むこととした。今後、IL-17A抗体を用いた治療実験を実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り、今年度はモデル動物の再現性の確認と治療標的の同定に成功し、当初の計画通り順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度はHICモデル動物に対するIL17Aモノクローナル抗体の膀胱内注入療法の準備(POC study)に入る。膀胱上皮の透過性やpharmacokineticsに関するデータの取得を行い、同抗体の薬物動態や薬効について検討する。この投与方法で薬効が期待できる場合にはHICモデル動物に対する治療実験に入る。
|