2022 Fiscal Year Research-status Report
膀胱PDGFRα+細胞は膀胱線維化を惹起するのか?モデルマウスの作成と病態の解明
Project/Area Number |
22K16804
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
李 賢 九州大学, 医学研究院, 助教 (00876740)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 膀胱線維化 / PDGFRα陽性細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
若手研究の研究課題として初年度であるが、本研究課題に対し学会発表1件を行い、論文発表は行っていない状況である。 これは実験自体が初年度でありデータ蓄積が不十分であること、コロナ禍で十分な研究が遂行できなかったことが理由として挙げられる。 しかし、アメリカ泌尿器科学会で発表済であり、いくつかのデータは出ており、残り2年の科研費施行期間の間に発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膀胱における線維化は、コラーゲンの過剰沈着により膀胱が硬くなり膀胱容量(コンプライアンス)が低下することであるが、膀胱線維化に関わる細胞について調べた報告はない。 膀胱線維化に関与する可能性のある細胞として、血小板由来成長因子受容体アルファ陽性(Platelet Derived Growth Factor Receptor alpha positive: PDGFRα + )細胞に着目している。 マウスにシクロフォスファミド(CYP)を腹腔内投与(150mg/kg、第1, 3, 5日目に投与)し、膀胱線維化を起こした。シャム群は生食を同じスケジュールで投与した。炎症がきちんと惹起できていることを調べるため、膀胱のInterleukin-6(IL-6), collagenⅠA1発現がCYP群で上昇していることを確認した。PDGFRα発現はCYP群でシャム群に比べ約3倍上昇していた。またPDGFRαはSK3も同時発現することは調べており、SK3発現は約2倍上昇した。 フォールマウント組織を用いPDGFRα受容体を染色したが、十分にPDGFRα細胞の細胞質が染まらず、免疫染色での評価は困難であった。このためPDGFRαの核が緑色に染まっているPDGFRα tm11(EGFP)sor/J mouseを用い、CYP投与による変化を確認した。定量検査ではないが、形態的には緑色蛍光されたPDGFRα細胞数に大きな変化はなさそうであった。 膀胱機能評価はまだ行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
蛍光免疫染色はPDGFRα細胞の細胞質が十分に染まっておらず、抗PDGFRα抗体を変更し再度確認を行う予定である。PCRで線維化マーカー上昇が確認できたが、緑色蛍光されたPDGFRα細胞数は目視で増加を確認できなかった。この細胞数自体が元々多く、その増減はやはり抗PDGFRα抗体を用いPDGFRα細胞を全体的に確認することが重要となるので、免疫染色を再度行う。CYP投与頻度を増やすことで、形態的変化、膀胱機能の変化をきたしやすくなることが予想できる。
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Causes of Carryover |
初年度研究で余った研究費を次年度用としての使用を、今後の更なる研究発展を目的とする。
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