2022 Fiscal Year Research-status Report
メタボローム解析の結果から考える淡明細胞型腎癌に対する新規治療戦略の開発
Project/Area Number |
22K16814
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小澤 迪喜 山形大学, 医学部, 客員研究員 (10637218)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腎細胞癌 / βアラニン / mTOR阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト腎癌細胞株にmTOR阻害剤ラパマイシンを添加したところ、βアラニン値の変動は細胞間で様々であったが、イノシトールはすべての細胞株で上昇した。そこでβアラニンとエベロリムスの併用効果を調べるため、ヒト腎癌細胞株A498、786Oにβアラニンとエベロリムスを添加した。βアラニン単剤では細胞活性に変化を認めず、ラパマイシン単剤では若干の細胞増殖抑制効果を示したが、併用によりラパマイシン単剤よりも強い細胞活性抑制を示した。 さらにin vivoでの効果をみるため、ヌードマウスにA498株を皮下移植し、βアラニン、ラパマイシンの併用治療効果を見たところ、in vitroの結果と同様、併用で強い腫瘍増殖抑制効果を認めた。 現在、免疫系への影響を検討するためにマウス腎癌細胞RENCAの遺伝子編集を行っている。RENCAはマウス由来淡明細胞型腎癌とされているが、ヒト淡明細胞型腎癌で共通してみられるVHL遺伝子不活化がない。そこで、CRISPR/CAS9技術を用いてVHL不活化RENCA細胞を作成している。現在のところ、片側のアレル変異は誘導できているが、両アレル変異を誘導することができておらず、片側アレル変異をきたしているRENCA細胞を用いてさらにCRISPR/CAS9による遺伝子編集を加え、両アレルの変異誘導を試みている。 また、ラパマイシンとβアラニンの併用効果の確認はできたが、なぜ併用効果がみられたのか、分子細胞学的検討が行えておらず、シグナル伝達を中心に検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RENCA細胞の遺伝子編集によりVHL遺伝子のノックアウトを試みているが、両アレルのノックアウト細胞が作成できていないため。 ラパマイシンとβアラニンについて様々なシグナル伝達経路への影響を見ているが、細胞株による違いが大きく、全ての株に共通する異常が同定できないため。
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Strategy for Future Research Activity |
片側アレル変異をきたしているRENCA細胞を用いてさらにCRISPR/CAS9による遺伝子編集を加え、両アレルの変異誘導を試みている。 シグナル伝達経路について検討の幅を広げ検討する。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定と同額
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