2022 Fiscal Year Research-status Report
転移性腎細胞癌の治療抵抗性におけるグリコカリックス構造の超微形態学的検討
Project/Area Number |
22K16816
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
飯沼 光司 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (80817015)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腎細胞癌 / グリコカリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、腎細胞癌の糖鎖構造(グリコカリックス)を可視化し、腫瘍細胞周囲の微小環境を明らかすること、腫瘍細胞周囲の微小環境が進行性腎癌(mRCC)に対する薬物治療の効果に与える影響を明らかにすることを目的としている。2022-2023年度の研究計画は、ヒト腎癌組織と周囲正常組織のグリコカリックスの形態を可視化し腫瘍細胞周囲の微小環境を明らかにすることである。観察する検体の収集に関しては、研究開始前からの検体も含め、腎癌患者の腎摘除術を行った標本から15例収集し、保存、管理を行っている。今後も、検体数を増やしていく予定であるが、現在、予定通りの検体数を収集できている。また、今後、mRCCに対する薬物療法の治療効果への影響を検討するため、mRCCに対し術前治療を行った患者での検体の収集もすすめており、既に3例収集し保存している。腫瘍の微小環境、グリコカリックスの形態を視覚化する方法としては、ホルマリン固定、グルタール固定を行い硝酸ランタンによる電子染色下で走査 型 電 子 顕 微 鏡 ( Scanning Electron Microscopy: SEM ) な ら び に 透 過 型 電 子 顕 微 鏡(Transmission Electron Microscope: TEM)を用いる方法を予定している。SEMを使用することで腫瘍間質血管、腫瘍間隙と血管の関係を3次元的に観察し、TEMを使用することで、腫瘍間質血管、腫瘍間隙と血管の関係を2次元的に観察する。現在、すでにホルマリン固定の標本に関しては観察が終了しており、現在、SEMとTEMを使用し、保存した検体の観察を行っている。2023年度には腎癌組織と、正常腎組織における微小環境を可視化し、明らかにできる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検体収集に関しては、腎癌に対し腎摘除術を行った患者で、腎癌組織、正常腎組織検体を予定通りの検体数収集・保存できており、今後も検体数の増加が見込めると考えている。SEMやTEMを用いた電子顕微鏡での観察も現在行っており、研究計画の通り進行できている。そのため、現状ではおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っている、検体の収集、保存は継続する。2023年度中に腎癌組織、腎正常組織の電子顕微鏡を用いた観察を完了し、グリコカリックスを可視化し、腫瘍の微小環境を明らかにする予定である。その後、腫瘍の微小環境が薬物治療の効果に与える影響に関し検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
検体保存を中心に行ったため、予定より使用金額が少なくなり、次年度使用額が生じた。現在、電子顕微鏡での観察を進めており、2023年度はそのための機材や薬剤の購入のため使用する予定である。
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