2023 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of immunostimulatory effect of photodynamic therapy and its potential in enhancing Immunocheckpoint blockade Therapy
Project/Area Number |
22K16819
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山本 新九郎 高知大学, 医学部附属病院, 医員 (00793150)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膀胱癌 / 光線力学的治療 / 5-アミノレブリン酸 / 免疫チェックポイント阻害薬 / アブスコパル効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫チェックポイント阻害薬は、新たな癌治療として広く普及している。今後の課題は、免疫チェックポイント阻害薬による腫瘍免疫応答の活性化をさらに増強するために、免疫賦活作用を有する治療法との併用療法が期待されている。そこで、5-アミノレブリン酸を用いた光線力学的療法(ALA-PDT)の免疫賦活効果を解析し、それによる免疫チェックポイント阻害療法の増強効果を評価した。細胞株は、2つのマウス膀胱癌細胞株(MBT-2, MB-49)を選択した。免疫チェックポイント阻害剤としてマウスPDL-1阻害剤を選択した。各細胞株のALA-PDTに対する感受性は、MTTassayを用いて細胞生存率を測定することにより評価した。各細胞株のPDL-1のタンパク質発現も評価した(Western Blotting)。in vivo実験では、背側2か所に異種移植した多発性担癌マウスモデルを作製し、腫瘍量を測定して、PDTを行わない腫瘍(非PDT腫瘍)に対するALA-PDTによるPDL-1阻害剤増強効果を評価した。MBT-2およびMB-49では、ALA-PDT後の細胞生存率は、ALA濃度が125μM以上で顕著な低下を示した。また、両細胞株におけるPDL-1タンパク質の発現はほぼ同じであった。2つのマウス膀胱癌細胞株は、ALA-PDT感受性もPDL-1タンパク質発現量も同等であったため、MBT-2を用いてin vivo実験を行った。PDL-1阻害剤単独群の腫瘍に比べ、ALA-PDT+PDL-1阻害剤併用群の非PDT腫瘍の腫瘍体積は、増殖抑制傾向を示した。ALA-PDTとPDL-1阻害剤の併用療法は、非PDT腫瘍に対するPDL-1阻害剤の抗腫瘍効果を増強する可能性が示唆された。また、非PDT腫瘍を用いて、免疫関連細胞に対する免疫組織染色を行い、組織学的評価も行った。その結果、Foxp3陽性細胞(制御性T細胞)の有無がALA-PDTによるPDL-1阻害剤増強効果と関連している傾向がみられた。本研究成果を活かし、免疫チェックポイント阻害薬の効果を増強する免疫賦活作用を有する治療法の開発に繋げていきたいと考えている。
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