2023 Fiscal Year Research-status Report
胎児の中枢神経発達を目的とした妊婦の新たな栄養管理についての提言
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22K16828
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
叶谷 愛弓 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (30938668)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ATX / トリグリセリド / LPC / LPA |
Outline of Annual Research Achievements |
DHA (Docosahexaenoic acid)は、胎児期から新生児期にかけての脳の構造や機能の急速な発達において必須であるが母児間の輸送における分子メカニズムについては不明な点が多い。申請者は妊娠中の母獣マウス血液中のDHA含有リン脂質 (DHA-PLs) が胎児期の脳におけるDHA-PLsを規定することを見出した。一方で、東京大学産婦人科の研究室においてLPC(Lysophosphatidylcholine)を分解しLPA (Lysophosphatidic acid) を産生する酵素であるATX (Autotaxine) が母体血液中において妊娠経過と共に漸増することを報告しているがその理由については明らかとなっていない。作用機序が未解明であった ATXがDHAだけではない母児間の脂質運搬に影響を与えている可能性があるという仮説を立てた。上記目的遂行のために原発性高カイロミクロン血症合併妊娠症例の患者を用いて解析することを検討した。原発性高カイロミクロン血症の患者は、カイロミクロ ンを分解するための酵素が欠損しているため異化障害を起こし、それにより内部に貯留されているトリグリセリドが分解されずに蓄積され、高TG血症をきたし急性膵炎などを引き起こす疾患である。このように血液中にトリグリセリドが異常に貯留された状態で妊娠した場合、胎児への脂質運搬に影響が生じることは考えられる。本患者の血清を用いての研究を検討したが、研究者自身の異動のため本研究を遂行することが叶わなかった。よってマウスを用いた研究へ移行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究者の異動及び同研究室の研究員の編成によって本研究に割く人員が減少した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究者が外部に存在していたとしても遂行できるような研究計画に直す。
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Causes of Carryover |
該当研究者が異動により研究を遂行できなかったため研究費も余剰が発生してしまった。そのため次年度へ予算を持ち越すとする。
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