2022 Fiscal Year Research-status Report
CRISPR-Cas9スクリーニングによる卵巣奇形腫悪性転化の新規治療の開発
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22K16831
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
玉内 学志 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (50845097)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / CRISPR-Cas9 / ノックアウトスクリーニング / 患者腫瘍由来モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
【ノックアウトスクリーニングの進捗状況】 当研究室で樹立した卵巣奇形腫悪性転化の細胞株NOSCC1を用いて、CRISPR-Cas9ノックアウトスクリーニングを実施した。NOSCC1に対してCas9タンパクを導入後、sgRNAライブラリを発現するレンチウィルスをインフェクションさせた多様な遺伝子プロファイルを持つ細胞集団を作成し、スクリーニングの選択圧としてシスプラチン添加を行った。セレクション完了後にgDNAを抽出し、生存細胞に取り込まれたsgRNA配列のアンプリコンシーケンスを行い、リファレンス細胞との比較を行った。ネガティブスクリーニングの結果、25個の遺伝子が見出された。創薬可能性の観点から絞り込みを行い、10個の遺伝子が新規治療標的遺伝子として見出された。10個の遺伝子について、細胞株を用いたノックダウン実験を行い、さらに4種類の遺伝子へと選別を行った。 【薬効試験の準備状況】当研究室では卵巣奇形腫悪性転化の患者腫瘍由来モデル (PDX) も樹立しており、PDXマウス腫瘍を分割して多数のヌードマウスに再移植することで、多数の擬似的な担癌患者集団を作成することが可能であり、これらのマウスへの投薬によってヒトの腫瘍に対する抗腫瘍効を検証できる。新たに1種のPDXが樹立され、腫瘍増大の自然史を含めた予備的データ取得を完了しており、新規標的遺伝子に対する阻害剤投与試験のフェーズを速やかに実行する体制が構築されつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りスクリーニングを完了し、新規治療標的遺伝子を選別できている。
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Strategy for Future Research Activity |
選別された新規治療標的遺伝子について、細胞株を用いたノックダウン実験を行い、抗腫瘍効果の確認を行う。また、標的遺伝子を阻害する化合物を調査し、細胞株及び患者腫瘍由来マウスモデルを用いて、効果を実証する予定である。
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