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2022 Fiscal Year Research-status Report

子宮内膜微小環境に着目した子宮内膜症の病態解明と抜本的新規治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 22K16832
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

村岡 彩子  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40930269)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2024-03-31
Keywords子宮内膜症 / 線維芽細胞 / 発症メカニズム
Outline of Annual Research Achievements

本研究目標は子宮内膜症の病態成立のための未知なる発症メカニズムの解明である。研究概要計画書では本研究において子宮内膜の線維芽細胞に発現する子宮内膜症の原因分子と考えられるTAGLNについて、1)その発現誘導因子の検討、2)子宮内膜細胞内での詳細な機能解析、3)子宮内膜症マウスモデルでの検討を課題として掲げていた。R4年度の研究実績報告として、1)についてはTGFβに着目し、Chip-PCR法を用いてTAGLNのエンハンサー領域においてTGFβ添加によりヒストンのアセチル化が増加すること、及びSMADシグナル阻害剤の添加により同領域のアセチル化が現状することを確認した。この結果はTGFβ下流のSMAD領域のリン酸化がTAGLN発現誘導に関与していることを示唆し、追加実験でTGFβ添加によるTAGLNのプロモーター領域のSMAD転写因子増加が確認された。2)については子宮内膜繊維芽細胞を用いてTAGLNの発現を抑制または強制発現させることで発現変動のある液性因子を検索し、IL-6を同定した。また、TAGLNのCLIKドメイン欠損変異ベクターを作成し、TAGLNの変異株を形質転換させた線維芽細胞ではIL-6の産生が抑制されることを確認した。この結果はIL-6が線維芽細胞の細胞収縮により産生されるミオカインの一種であることを裏付け、さらにIL-6が線維芽細胞増殖にも関与することをMTTアッセイで確認した。3)についてはマウスTAGLN強制発現ベクターを作成中であり、今後の子宮内膜症マウスモデルでの検討に用いる予定である。
これまでの研究内容により子宮内膜症における線維芽細胞に発現するTAGLNの重要性及びその発現誘導因子について検討がなされたため、今後の治療方針としてより上流のTGFβを標的とした治療及び子宮内膜の微小環境に着目した新規治療戦略を練ることができると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究概要計画書に記載した3点の研究概要につき、1)2)については概ね検討が済んでおり、3)についてはマウスモデルに用いるベクターの作成中ではあるが、作成出来た後のマウスモデルへの投与プロトコールは確立している。今後3)のマウスモデルの実験がスムーズに行えれば概ね研究概要計画書に沿った実験が行えると考える。

Strategy for Future Research Activity

マウスモデルの実験について、TAGLN強制発現ベクターを作成後、エレクトロポレーション法を用いてマウス子宮へTAGLNを強制発現させ、従来の子宮内膜症マウスモデルを用いて子宮組織の腹腔内移植で病変の形成数や重量の変化をコントロールマウス(TAGLNの発現の低い子宮組織を移植するマウス)と比較して検討する。

Causes of Carryover

本年度は実験進捗状況遅滞のために実験費用のかかるマウス実験まで行えなかったため、当初の予定よりも使用額としての差額が生じたが、今後のマウス実験まで行う際の研究費用、及び論文化に際しての英文校正費用や雑誌投稿料、及び国内外学会での発表にあたりその旅費や参加費が生じると考えられるのでR5年度に余剰分も使用していく予定である。

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Published: 2023-12-25  

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