2023 Fiscal Year Research-status Report
Revolutionary ovarian cancer diagnosis and treatment using liquid biopsy
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22K16836
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
依田 尚之 岡山大学, 大学病院, 助教 (80834928)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / Liquid biopsy / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣癌治療経過におけるゲノム情報の変化を明らかにし、新規診断・標的治療法を確立することを目的とし研究に着手した。過去の検体を検索した結果、経時的な血液のストックはバイオバンクに保存されておらず、治療開始時の血液しか入手できなかった。そのため、「婦人科がんにおける検体採取とオミックス解析による腫瘍の分子生物学的病態解明のための研究」として倫理委員会に申請し、経時的な血液収集を行うシステムを構築した。治療開始時のみならず、治療中や外来通院時の採血検査毎に血液をバイオバンクに保存し、この2年間で約20症例分の検体を準備することができた。 次いで、バイオバンクに保存された血液の解析項目の決定を行なった。当初、卵巣癌初回治療時の手術組織(原発巣と転移巣)から抽出したDNAと末梢血ctDNAを次世代シーケンサーで網羅的に解析する予定であったが、解析データを入手可能な検体数が極端数に少なくなる見込みのため実施できなかった。がん細胞から放出される 50~150 nm の小胞エクソソームにのみ焦点を当て、血液のエクソソーム発現を確認するとともに、その機能についても検討する(倫理員会審査中)こととした。特に炎症反応によって惹起され単球や好中球から分泌されるS100a8/9複合体に着眼し、従来バイオマーカーとして用いている CA125や臨床経過と比較検討することで、早期診断や転移の早期発見に役立つ可能性を考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
低侵襲で採取できるリキッドバイオプシーであれば、より頻回に解析でき、腫瘍内不均一性や治療によるゲノムの変化を考慮した治療法の選択に役立てられることを期待し、卵巣癌治療経過におけるゲノム情報の経時変化を着目したが、過去の検体は定点のものしか保存されておらず新たに経時的な血液のストックをバイオバンクに保存する必要あった。 また、網羅的なゲノム検査を行う方法として、網羅的なゲノム解析を考えたが1検体あたりの単価が高く、複数症例の頻回のゲノム解析は現実的でないと判断した。そのため、焦点を当てる項目を決定する必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
卵巣癌患者の血液に対してエクソソーム解析法(ELISA kit)を用いて、エクソソーム発現を確認するとともに、その機能についても検討する。従来バイオマーカーとして用いているCA125や臨床経過をカルテより情報収集し、比較検討する予定である。
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Causes of Carryover |
検体数が少なく、解析が大幅に遅れている。本年度はエクソソーム解析に必要なElisa Kitを購入する予定である。
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