2022 Fiscal Year Research-status Report
卵巣がん予防法開発に向けたクラミジア感染例の臨床病理学的特徴とTP53変異の検索
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22K16850
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松岡 歩 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60746981)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / 卵管癌 / クラミジア感染 / TP53変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、当施設で治療を行った卵巣・卵管・腹膜癌症例の検体について、診断を行った際の保存血清中のクラミジアPgp3 IgG抗体を測定し、卵巣・卵管・腹膜癌症例におけるクラミジア・トラコマチス既感染あるいは持続感染の頻度を明らかにすることを第一の目的とした。 クラミジア・トラコマチス既感染あるいは持続感染が予測される症例とそのほかのcontrol群の保存血清を確認した。 クラミジアPgp Ig3抗体は、先行研究が複数あるが、国内外で抗体が入手できないため、自施設で作成する必要があった。Pgp Ig3のベクターを作成した。クラミジアPgp IgG3抗体測定のためのMethodsの先行研究を調査し、検討した。 現在、double-antigen sandwich ELISA法を用いて、上記症例のクラミジアPgp IgG3抗体を測定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
クラミジア・トラコマチスの既感染あるいは持続感染の最も信頼性のある抗体であるPgp IgG3抗体が国内外で入手できず、Pgp IgG3抗体の測定開始に時間を要してしまった。 また、所属機関の体制変更に伴い、そのほかの業務に必要なエフォートが増え、研究に関わるエフォートが予測よりも減少してしまった。 COVID-19による業務増加の状態が遷延しており、上記同様、本研究のための時間が限られてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
対象のクラミジア・トラコマチスPgp IgG3抗体の測定と解析を行い、クラミジア陽性例と陰性例とで、組織型や進行期、転移様式、化学療法に対する反応を比較し、クラミジア抗体陽性卵巣・卵管・腹膜癌症例の臨床病理学的特徴を調べる。 上記実験にてクラミジア抗体が陽性であった卵巣・卵管・腹膜癌患者の手術検体において卵管上皮におけるクラミジア抗原の発現、TLR2,4の発現およびTP53変異の有無を免疫組織化学染色にて検討する。卵管上皮におけるTLR2,4の発現強度とTP53変異との関連を検討する。 卵巣癌細胞であるSKOV3,OVCAR-3,および不死化ヒト卵管上皮にクラミジア・トラコマチス血清を添加し、クラミジア感染を惹起させる。添加後24時間で細胞のRNAを抽出し、TLRシグナル伝達経路上のTLR2, TLR4, CD14, MyD88の遺伝子発現変化をRT-qPCR法にて検討する。さらに下流のMAPK経路の活性化が起こっているかどうかを検討するためにNF-kappaB経路、JNK, p38MAPK, ARKのリン酸化タンパクの発現を検討する。次にこの細胞にTP53変異を導入し、細胞増殖の変化をみる。 卵巣癌細胞SKOV3、OVCAR-3にTLR2,4の発現を抑える効果のある、Dominant Negative TLR2、TLR4を導入し、細胞増殖、アポトーシスに与える影響を検討する。細胞増殖はCCK-8, アポトーシスはカスパーゼ3,7の発現を測定し検討する。
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Causes of Carryover |
前述の理由により、研究に遅れが発生した影響で、物品費等が低くなった。また、研究成果として計画していた国際学会での発表に必要な旅費や英文校正費、Open access費などが次年度に使用額として計上された。
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