2022 Fiscal Year Research-status Report
The function of prostanoids in blastocyst implantation
Project/Area Number |
22K16852
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤枝 俊 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (10898084)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 着床 / 子宮内膜 / 遺伝子 / 胚盤胞 / 活性化胚 / ヒストン修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
着床期に胚着床に適した状態になるための胚及び子宮内膜のダイナミックな遺伝子変化の詳細は不明である。胚が子宮内膜管腔上皮に接着する時期の子宮内膜管腔上皮と胚の遺伝子変化をマウスモデルを用いて検討した。レーザーマイクロダイセクションで胚接着前後の子宮内膜管腔上皮を採取し、RNA-seqで解析した。胚接着前の子宮内膜上皮は、細胞周期関連遺伝子群や抗酸化ストレスに作用するグルタチオン経路関連遺伝子群を特異的に発現し、胚接着後の子宮内膜上皮は、解糖系と細胞増殖の調節に関与する遺伝子群が変動していることが明らかとなった。また胚接着前後の比較では、プロゲステロン受容体シグナル遺伝子が胚接着前に、ヒストン修飾H3K27me3の関連遺伝子が胚接着後に顕著な変化を示していた。次に胚接着を起こすポテンシャルを持つ活性化胚と持たない休眠胚の遺伝子プロファイルを比較した。休眠胚に比較し、活性化胚では細胞周期関連遺伝子が活性化していた。DNAメチル化は活性化胚の発現低下遺伝子に蓄積されており、H3K4me3とH3K27me3のヒストン修飾は休眠胚と活性化胚の各種遺伝子発現との関連性が認められた。DNAメチル化とヒストン修飾が、着床前胚盤胞に起こる胚接着に向けた特徴的な遺伝子変化を調節していることが示された。これらの結果から、子宮内膜および胚におこる着床に向けた特徴的な遺伝子変化の存在、ヒストン修飾などを介した遺伝子発現の調節機構の存在が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り研究が推進でき、その成果として英文論文を発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで予定通り研究が推進できており、今後も予定の研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
遺伝子改変マウスを用いた研究がやや遅れており、それにともなう物品費(消耗品)の使用額が少なくなった。遅れた研究は次年度に消化できる見込みであり、予定されたすべての研究を研究期間内に完了できる予定である。
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Research Products
(4 results)