2022 Fiscal Year Research-status Report
初期卵胞発育促進因子を用いた卵巣機能低下症の治療法の開発
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22K16855
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
伊東 雅美 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (80916247)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生殖医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ライフスタイルの多様化などが一因となり、晩婚化が進行している。その影響もあり、不妊治療を受ける夫婦の数は増加傾向にあるが、年齢の上昇に伴い流産率は上昇、妊娠率の低下することが指摘されており、治療の成績向上に向けての研究は多数報告されている。 今年度、我々は不妊治療成績向上に向けて卵巣顆粒膜細胞に着目し、酸化ストレスや小胞体ストレスなどの各種ストレスを加えた際に、卵巣顆粒膜細胞株の細胞死を改善し、妊孕能を改善、かつ、人体に影響の少ない試薬を探索してきた。細胞には酸化ストレスや小胞体ストレスといったストレスに対抗し恒常性を維持する機構の一つとしてオートファジーがあるが、卵巣顆粒膜細胞株のオートファジーを活性化させる薬剤を使用し、不妊治療に対する治療薬となる可能性を見出した。 次年度は、ストレス耐性を生じる機序の解明に向けて検討するとともに、卵巣組織を使用した実験を計画している。 研究成果の社会への発信は、研究結果の確証性が乏しいと判断し延期としてきた。今後の実験計画の進行状況に応じて、学会報告を積極的に行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在使用している卵巣顆粒膜細胞株の性質の把握、オートファジーを活性化させるため、どの薬剤が適しているか検討に想定していた以上に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在検討している試薬の実験結果の確証性が取れた後、疾患等の標準治療のため卵巣組織を切除する患者を対象に、本研究へのリクルートを積極的に行い、ヒト卵巣組織での研究を行っていく。
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