• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

Can Granularicin Cause Unexplained Infertility? Towards Establishing Miscarriage Prevention Method

Research Project

Project/Area Number 22K16867
Research InstitutionNippon Medical School

Principal Investigator

市川 智子  日本医科大学, 医学部, 助教 (10366726)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Keywords流産 / グラニュライシン / ヘパリン / 免疫 / 不育症 / 炎症
Outline of Annual Research Achievements

<グラニュライシンと流産との関連性>
①グラニュライシンが流産を誘導するかどうか確認するために、C57BL/6妊娠マウスにリコンビナントグラニュライシンを投与したが、流産を誘導することができなかった。元来、グラニュライシンは齧歯類には存在しないため、本当にグラニュライシンが流産を誘導しないかどうかはC57BL/6妊娠マウスでは示すことができない。よってグラニュライシンが導入されたトランスジェニックマウスの作成を国立遺伝研究所と共同研究を行い、作成に成功した。<ヘパリンの抗炎症作用による流産防止メカニズムの解析>①ヘパリンはリポポリサッカライド(LPS)マウス流産を防止する:C57BL/6(メス) x C57BL/6(オス)の同種同型組み合わせ妊娠において、LPSを腹腔内投与するとマウス流産が誘導されるが、未分画ヘパリンの皮下投与により流産が有意に防止できることを見出した。この際PT、APTTの凝固時間には影響を及ぼさないことも確認した。すなわち、凝固系に影響を及ぼさないレベルのヘパリン量により、有意に流産防止効果を発揮することを見出した。②未分画ヘパリン投与は、胎盤内の炎症性環境を抑制する:上記のヘパリン投与において、フローサイトメーター(FCM)を用いて子宮局所の免疫細胞解析を行なったところ、抗炎症作用を有するM2型マクロファージ分画の増加および炎症性サイトカインおよびパーフォリン、グランザイムなどの細胞障害性因子の産生抑制を認めた。さらにELISA法によりマウス血清中のサイトカインを測定したところ、同じくヘパリン投与により炎症性サイトカイン濃度の低下を認めた。また、脱落膜 mRNAのT-betはヘパリンで有意に低下した。以上より、ヘパリン投与は全身、局所の過剰炎症を抑制することが示唆されている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

国立遺伝研究所との共同研究でグラニュライシントランスジェニックマウスを作成することができた。
この過程に約1年かかったが、その間、グラニュライシントランスジェニックを使って行う予定であるヘパリンの研究をワイルドタイプのマウスで行う事ができたので、今後の実験の準備が行うことができた。
また、ヘパリンでの研究も抗凝固ではなく抗炎症作用にて流産を防止することが示され、この結果も2024年度の日本不育症学会、日本生殖免疫学会でシンポジウムで発表予定である。

Strategy for Future Research Activity

①グラニュライシンが流産を誘導するかどうか(granulysin transgenic type):グラニュライシンが遺伝子導入されたトランスジェニックマウスを妊娠させ、LPSを投与し、妊娠帰結をWTと比較する。
②流産マウスでの局所、末梢における免疫細胞の変化:①で流産に至った妊娠マウスの脱落膜、子宮筋層の免疫細胞の変化をWTと比較検討する。抗原提示細胞である樹状細胞 (dendritic cell: DC)、マクロファージやNK細胞、NKT細胞、CD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞などの細胞数やサブタイプ (DC1やDC2など)や活性化マーカーを解析する。また、各種サイトカイン (IL-2, IL-4, IFN-γ) やグラニュライシンをはじめとする細胞顆粒内タンパク質 (グラニュライシン、Granzyme A, B, Perforin) も同様に解析する。具体的にはFACS法、PCR法を用いて評価する。②ヘパリンはグラニュライシン誘導性流産を回避できるか:グラニュライシンで誘導された流産をヘパリンにて回避できるかを調べるために、ヘパリンをグラニュライシンと同時期に投与し、流産率を比較検討する。③ヘパリンで流産が回避されたマウスの局所、末梢における免疫細胞の変化:検討項目は②と同様とする。④9kdaグラニュライシンになりやすい環境(PHの低下)を作り出し、妊娠帰結を確認する。

Causes of Carryover

昨年度は文部科学省人材育成費補助事業 ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(女性リーダー育成型)の研究助成を受けることができたため、当初予定していた額より大幅に使用できる金額が増えたため、次年度使用額が生じてしまった。

  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] ヘパリンの抗炎症作用に着目したマウス流産防止効果の検討2024

    • Author(s)
      市川智子
    • Organizer
      日本不育症学会
    • Invited

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi