2023 Fiscal Year Annual Research Report
父親抗原認識における樹状細胞の役割と妊娠免疫寛容の誘導
Project/Area Number |
22K16874
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
安田 一平 富山大学, 学術研究部医学系, 特命助教 (80897538)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 妊娠免疫寛容 / 樹状細胞 / tolerogenic DCs / 制御性T細胞 / 子宮 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.着床前子宮のDCsの解析:着床前子宮DCsの免疫寛容誘導に関するさらなる解析のため、サブセット解析に対して追加解析を行った。IDO陽性細胞はIL-10などの誘導に関わるとされ、免疫寛容を誘導する性質をもつと考えられている。Allo妊娠マウスDay3.5における子宮DCsの解析を行った。妊娠マウスにおける着床前子宮のDCsでは、PD-L2の発現を認めるものの、IDO陽性のサブセットは認めなかった。PD-L2陽性以外のDCサブセットの選択肢の拡大には至らなかった。 2.着床前子宮の着床前子宮のTregsの解析:着床前子宮DCsの動態はすでに先行データで示してきた。同時期のTregsの動態も示すことで、DCs-T cell間での相互作用を検証することとした。妊娠マウスにおける、Day0.5から3.5におけるtime courseを検証した。Tregsの割合は、炎症の強いDay1.5に最大となり、経時的に減少する着床前子宮のDCsと同様な変化を示した。あらためて、DCs・T cellsの動態に連動性があることを確認した。 3.着床前子宮のシングルセル解析:Allo妊娠マウスDay3.5における子宮DCsの細胞数は少なく、さらに我々がtolerogenic DCsと考えるPD-L2陽性DCsはより少数となっている。再現性を伴った実験条件の確立を目的に検討を行ったが、single cell解析に十分な実験条件の確立に至らなかった。 妊娠免疫寛容の誘導に樹状細胞が父親抗原の提示を介して関わる。妊娠免疫寛容の破綻時には胎盤形成不全やそれに伴う胎児発育不全や妊娠高血圧症候群の発症などにつながるリスクとなる。適切な免疫寛容の誘導によりそれらの病態の発症リスクを低減させることが可能となるよう妊娠免疫寛容の誘導の詳細な解明が求められる。
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