2023 Fiscal Year Annual Research Report
予後不良子宮体癌に対する治療標的となる遺伝子異常の同定
Project/Area Number |
22K16891
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
加藤 真弓 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (90869893)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ProMisE分類 / FIGO2023 / 予後不良子宮体癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の前段階の研究として日本人子宮体癌患者においてProMisE分類が予後予測に有用であることを検証した(Asami Y, Kobayashi-Kato M, et al. Br J Cancer.2023;128(8):1582-1591.).子宮体癌においてはFIGO2008からFIGO2023の改訂に伴い分子分類が新たなstagingに組み込まれた.早期癌において分子分類が可能な場合,POLE変異を認めた症例はstageIAmへ, 筋層浸潤を伴うp53変異症例はstageIICmへと変更になった. 2011-2018年に当院で診断された265名の子宮体癌患者においてFIGO2008(旧分類), 分子分類を組み込まないFIGO2023(FIGO2023), 分子分類を取り入れたFIGO2023 (FIGO2023m)の3つのFIGO分類による予後識別能の違いを検証した.265名中POLE変異群/MMR欠損群/NSMP群/p53異常発現群は28/71/109/57例であった.FIGO2023mは3つの評価方法全てで最も良好な識別能を示した. 本研究では進行癌(stageIIIC)においてもp53変異の有無は予後因子であり,可能な限り全てのstageにおいて分子分類を取り入れることが良好な予後予測につながることが示唆された(Kobayashi-Kato M, et al. Gynecol Oncol.2023;178:36-43.). 昨年度は予後不良とされる非類内膜癌においてもProMisE分類が有用かどうかを検証したが、症例数は50例と少なく予後不良群には 従来からの組織型による層別化が有用となる可能性が示唆された(同内容は第75回日本産婦人科学会学術講演会で発表した).今後は予後不良組織型におけるProMisE分類の有用性につき多施設共同研究を行う必要があると考える.
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