2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the impacts of eosinophilic chronic rhinosinusitis on the central nervous system
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22K16905
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
籠谷 領二 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90707762)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 好酸球性副鼻腔炎 / 嗅覚 / 嗅球 / ミクログリア / 傍糸球体細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
活性型ビタミンD3誘導体の経皮投与と卵白アルブミン(OVA)の点鼻チャレンジを組み合わせた好酸球性副鼻腔炎のマウスモデルを用いて、嗅球の組織学的解析を行った。 グリア細胞の解析では、好酸球性副鼻腔炎モデルマウスの嗅球では対照群と比較して、嗅球のIba-1陽性細胞(ミクログリア/マクロファージ)の増加が糸球体層、外網状層、顆粒層の各層において確認された、TMEM119陽性細胞(ミクログリア)は、外網状層と顆粒層においてはIba-1陽性細胞とほぼ一致しており、これらの層におけるIba-1陽性細胞はほとんどミクログリアであると考えられた。一方、糸球体層ではTMEM119陽性細胞(ミクログリア)は非常に少なく、この層におけるIba-1陽性細胞の多くがマクロファージであることを示す結果であった。GFAP陽性細胞(活性化アストロサイト)の解析では、各層において対照群に対する明らかな差は見られなかった。 また、糸球体層における傍糸球体細胞の解析では、好酸球性副鼻腔炎モデルにおいてTyrosine hydroxylase陽性細胞の減少が、特に嗅球内側の糸球体層で比較的明瞭に認められた。もう1つの傍糸球体細胞サブタイプであるCalretinin陽性細胞については、対照群と有意な差は認められなかった。 これらの結果から、好酸球性副鼻腔炎においては末梢嗅上皮のみならず中枢である嗅球にも変化が生じており、これらの変化が嗅覚症状に影響していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、好酸球性副鼻腔炎モデルを用いて、鼻副鼻腔の好酸球性炎症が嗅球に及ぼす影響を検討することが主目的であるが、その中の組織学的検討については概ね期待通りの傾向をつかむことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
好酸球性副鼻腔炎モデルにおける嗅球と嗅上皮の遺伝子発現変化を次世代シークエンサーによる網羅的解析によって評価する予定である。
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Causes of Carryover |
申請者の異動のため一時的に研究の進行が遅れたことにより、当該年度に一部行う予定でいた遺伝子発現解析が未施行となっている。このため次年度使用額が生じた。次年度に遺伝子発現解析を中心に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)