2022 Fiscal Year Research-status Report
FIB/SEMトモグラフィー法、CLEM法による声帯の三次元的微細構造の解明
Project/Area Number |
22K16907
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
佐藤 公宣 久留米大学, 医学部, 助教 (30738852)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | CLEM法 / 声帯黄斑 / 微細構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は光-電子相関顕微鏡法(CLEM法)とFIB/SEMトモグラフィー法による声帯の細胞と細胞外マトリックスの三次元的微細構造を解明することを目的としていた。ヒト声帯組織のパラフィン切片を蒸着法などによる手法を用いて、SEM像を観察することに成功し、ヒト声帯の細胞と細胞外マトリックスの三次元的微細構造を観察した。本研究の結果は、2022年のAmerican Broncho-Esophagological Assosiationでeポスター発表し、Laryngoscope Investigate Otolaryngologyに掲載された(Laryngoscope Investigate Otolaryngology 2022;7:1943-1950)。 本研究では様々な組織から構成される声帯の微細構造を詳細に観察し、声帯粘膜の細胞と細胞外マトリックス、また声帯黄斑の細胞と細胞外マトリックスの構造について報告した。本研究ではこれまで観察が困難であった組織の移行部や、声帯の限られた空間を容易に観察することができると報告した。CLEM法で観察した声帯黄斑にはvocal fold stellate cell-like cell, cobblestone-like polygonal cell, fibroblast-like spindle cellが存在し、声帯粘膜は声帯黄斑との境界部で線維の構成が順次変化していた。本研究は、正常な声帯の構造の解明のみならず、疾患モデルへの応用が可能と結論付けており、今後の更なる研究が期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の成果は、国際学会で発表しており、論文化されている。そのため、研究の進捗は概ね良好と考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、2022年度に報告したCLEM法を用いた研究を更に発展させ、またFIB/SEM法による声帯に微細構造を明らかにすることを目的とする。CLEM法による疾患モデルの観察や、CLEM法により明らかになったヒト声帯の微細構造をFIB/SEM法により3次元微細構造で構築することを目指す。声帯黄斑の細胞と細胞外マトリックスの3次元微細構造が明らかになれば、これまで提唱してきた声帯黄斑の幹細胞性、また周囲環境の役割などの解明に繋がると思われる。
|
Causes of Carryover |
COVID-19のため学会の現地参加が困難であり、学会参加への旅費などの支出が計上されなかったためと考える。次年度では学会への現地参加を予定しており計上する方針である。
|
Research Products
(2 results)