2023 Fiscal Year Research-status Report
Identification of immunotherapy-resistant biomarkers in head and neck cancer
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22K16927
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
三澤 由幾 浜松医科大学, 医学部附属病院, 医員 (40943303)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リキッドバイオプシー / 免疫チェックポイント阻害薬 / 薬剤耐性 / LY6D遺伝子 / セルフリーDNA |
Outline of Annual Research Achievements |
癌細胞の不均一性獲得は、エピゲノムによる可塑性に起因するとされている。薬剤耐性や効果予測などに関与し治療過程で変化する癌の不均一性・可塑性の解明には、原発腫瘍からの遺伝子情報よりもリキッドバイオプシーからの遺伝子情報が有利である。 我々研究グループは、cfDNAを使ったDNAメチル化解析でいくつかの新規性のある報告を行った。HPV関連中咽頭癌の研究では、細胞株、臨床検体からの網羅的DNAメチル化解析にて抽出したメチル化マーカー候補の21遺伝子から、喉頭、口腔、下咽頭、中咽頭の250サンプルのDNAメチル化解析で中咽頭のみに予後と関連した10遺伝子を抽出し、さらに正常コントロールのリキッドバイオプシーでもメチル化を認める7遺伝子を除外して、CALML5、DNAJC5G、LY6Dの3遺伝子が、HPV関連中咽頭癌における有効なメチル化マーカーでcfDNAからLY6D遺伝子のメチル化が消失(脱メチル化)するという、予想とは異なる現象で、ICI抵抗性を予測する バイオマーカーになると考えられた。 本研究では、最近可能になったcfDNAの網羅的メチル化解析法を使って、ICI抵抗性を引き起こす脱メチル化遺伝子の抽出を行い、ICI抵抗性に関与し治療過程で変化する癌の不均一性・可塑性の解明とICI抵抗性を克服する治療法の探索を目指す。 2023年度は、HPV関連中咽頭癌細胞株UMSCC47を使って、LY6D遺伝子をsiRNAでノックダウンした後、コロニー数、浸潤能の変化を測定ついて解析を行った。RNA-seq解析にて、遺伝子変異群の抽出を行った。さらに、LY6D蛋白の免疫染色をHPV関連中咽頭癌ならびにICI治療を行った頭頸部癌症例に行い解析を行った。その結果、LY6D高発現症例が予後不良であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
HPV関連中咽頭癌細胞株UMSCC47を使って、LY6D遺伝子をsiRNAでノックダウンした後、コロニー数、浸潤能の変化を測定ついて解析を行った。RNA-seq解析にて、遺伝子変異群の抽出を行った。現在、その解析により抽出された遺伝子を臨床検体を使って解析をすすめている。2024年度に終了する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
HPV関連中咽頭癌細胞株UMSCC47を使って、LY6D遺伝子ならびに網羅的cfDNAメチル化解析で抽出した遺伝子をsiRNAでノックダウンし、ノックダウンした細胞とノックダウンしていない細胞からRNAを抽出しRNA-seq解析を行いデーターを得たため、その解析により抽出された遺伝子を臨床検体を使って解析をすすめている。
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Causes of Carryover |
臨床検体を使った発現解析を2023年度に終了できなかったため、2024年度に延長し使用する予定である。
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