2022 Fiscal Year Research-status Report
PHD阻害剤を用いたがん微小環境の改善による頭頸部癌新規治療戦略の開発
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22K16930
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小山 哲史 鳥取大学, 医学部, 助教 (90771402)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / 化学療法 / PHD / HIF / 低酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の実績としては、関連する欧文論文一編がAuris Nasus Larynxにアクセプトされた。こちらは、頭頸部癌に対する光免疫療法に関する内容で、ナビゲーションシステムと術中のCTを複合して使用することで、治療効果を高めるといった内容の症例報告である。光免疫療法は、光感受性物質IR-700が結合させてあるEGFR抗体の投与と、レーザー光照射の2段階であ行う治療であるが、治療の効果はレーザー光照射が十分にできるかが重要となる。術前の計画と、術中に計画通りの施術ができるかがポイントであり、本例ではここにナビゲーションシステムとCTを組み合わせることが治療の有効性の向上に有効であると結論付けた。 その他として、日本頭頸部外科学会、日本頭頸部癌学会、日本臨床腫瘍学会など、複数回国内学会へ参加し頭頸部癌に関連した口頭発表を行った。また、学会参加を通じて広く情報収集を行った。研究内容の要点を整理しブラッシュアップできた。情報収集を通じて、やはり国内において同様の方向性で研究を行っている研究者、施設はなく、本研究の独自性と先進性、重要性を確認することができた。それを踏まえ研究の方向性は「研究の目的」、「研究実施計画」記載の通りに行うことで良いと確信できた。 ただ、研究の実施に当たっては、細胞培養、マウスの飼育など、当方耳鼻咽喉科頭頸部外科の実験施設では機材が足りない部分も多々あるので、そちらに関して、基礎系研究室との連携をとっていく予定である。また、当方の基礎研究をバックアップしてくださる施設との連携をとる必要となる。以前に研究を共同で行っていた大阪公立大学分子薬理学教室の冨田教授、松永講師にも研究の実施についてアドバイスを頂き、必要であれば技術的支援を受けられるように働きかける必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画に沿った通りの進捗とはならず、遅れている状況である。本年度は研究開始前の情報収集を広く行うことに尽力し、研究の方向性について確認を行うことに重点を置いたためである。またエフォートの多くが臨床業務、その他の臨床研究に割かれ、本研究に当てられなかったことも原因である。その他、研究の準備段階にも時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
その他のエフォート、特に臨床業務を減らすことが第一である。また当院の動物実験施設では、依頼次第で多くのサポートを得ることができるため、そちらを積極的に利用する。また足りない実験設備に関しては共同実験設備の利用の他、基礎系研究室と連携を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は、関連する欧文論文一報の報告にとどまり、主たる研究に関し、学会参加による情報収集のみを行った。そのため、予定していたマウスの購入など実際の実験活動ができず、未使用額が発生した。次年度で当初行うべきで内容の実験も行っていくので、そちらに予算を使用する予定である。
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