2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanism of tissue repair of macular hole and possibility of treatment using amniotic membrane
Project/Area Number |
22K16957
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
田中 寛 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60850899)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 黄斑円孔 / 羊膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性黄斑円孔に対して他家移植である羊膜移植が注目されているが、未だ組織修復や視機能改善のメカニズムは明らかにはなっていない。本研究の目的は、in vitro実験において羊膜上と網膜細胞の遊走伸展との関係を明らかにし、家兎の黄斑円孔モデルを用いて生体内での羊膜の役割を明らかにすることである。 ミュラー細胞の羊膜に対する接着能、遊走能の検討においては、in vitro実験において24wellプレートに羊膜を貼り付けた2群;上皮側を表にして貼り付けた群(上皮群)、絨毛膜側を表にして貼り付けた群(絨毛膜群)を作成し、中央に3mm径のシリコンを留置する(各n=5)。それぞれの群に0.5x105個のヒトミュラー細胞を播種し24時間後にシリコンを除去する。除去直後、また72時間後に位相差顕微鏡画像を撮影、免疫細胞染色(phalloidin)を行い、それらの画像より細胞形態を評価、また細胞移動面積を測定して細胞の遊走能を評価した。ミュラー細胞は羊膜の上皮側では仮足を伸ばし、縦横比が高い接着像が得られた一方で絨毛膜側では円形で縦横比が低い接着性を示す像が得られた。遊走実験においては、上皮側では絨毛膜側に対して有意に遊走能が高い(t検定; p<0.05)結果が得られた。 次に、in vivoでの羊膜移植の有効性を確認するため、家兎の網膜円孔モデルを作成した後、コントロール(無治療群)と羊膜移植を行った群(羊膜群)において組織修復過程の差を画像解析にて確認した。修復後の組織を家兎の黄斑円孔モデルに対して羊膜を挿入し2mm径の円孔部に同径の羊膜を留置し、術後のOCT画像の取得に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2022年度で行う予定であったミュラー細胞の羊膜に対する接着能、遊走能の検討においては、上記で述べた様にミュラー細胞の羊膜接着時における細胞形態を評価、また細胞移動面積を測定して細胞の遊走能を評価することが可能であった。 またその後、2023年度に行う予定である、次に、in vivoでの羊膜移植の有効性の確認についてはすでに着手できており、現在追加実験を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2023年度の予定研究をすすめるとともに、進捗状況によって2024年度に行う組織修復における機能検査を先だって行う予定としている。
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Causes of Carryover |
2022年度に行う実験ではin vitro実験がメインであり、予定金額より小額で研究が可能であった。 2023年度以降の実験は家兎を用いた研究となり、購入費・飼育費などが高額になっているため、その充填に費用をあてる。
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Research Products
(2 results)