2023 Fiscal Year Research-status Report
細胞老化と脂肪変性・線維化に着目した後天性眼瞼下垂の原因別病態解明
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22K16968
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
清水 英幸 名古屋大学, 医学系研究科, 客員研究者 (80892413)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 眼瞼下垂症 / 細胞老化 / 緑内障 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、手術以外に治療法のない後天性眼瞼下垂症の病態を明らかにすることで、最終的には後天性眼瞼下垂症の新たな治療法の糸口を見つけることを目的としている。後天性眼瞼下垂症の原因は加齢、ハードコンタクトレンズの長期装用や緑内障の治療点眼薬によるものなどがあるが、組織学的な病態変化が異なる。原因の違いにより、眼瞼挙筋群の筋肉や腱膜が脂肪変性や線維化を生じて脆弱化することがわかっている。 様々な原因により後天性眼瞼下垂症となった症例の手術の際に組織を採取して各種の分析を行うことで、原因ごとの特徴をつかむことが目標となる。眼瞼下垂症の手術の術式には様々なものがあるが、その中でも挙筋短縮術を行う際に十分な組織を採取できる方法を確立した。 現在採取した組織をを固定、染色し、病因ごとに解析を進めている。当初は挙筋群のみを評価する予定であったが、症例によっては眼窩隔膜と挙筋群の間にある脂肪を切除する場合もあり、切除した脂肪も評価している。今後評価する組織の種類が更に増える可能性がある。また遺伝子発現分析、たんぱく質発現分析も行った。これらにより眼瞼の細胞老化や線維化の程度を多角的に評価しているところである。また、眼瞼下垂症の術後に眼瞼の余剰皮膚が余る偽眼瞼下垂になる症例も一定数いることがわかった。偽眼瞼下垂症の手術では眼瞼の余剰皮膚を眉毛下眼瞼余剰皮膚切除することが多く、眼瞼の瞼縁から眉毛下まで広範な皮膚と眼輪筋を採取している。 これらの結果は、順次学会で報告し、論文として投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究を遂行するには、後天性眼瞼下垂症手術の際に採取した組織が必要であり手術による検体採取が不可欠である。2024年度初めに勤務先の上司が急逝し、体制を立て直すのに時間を要した。手術や研究をする十分な時間を確保することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
眼瞼下垂の重症度・術後成績と細胞老化・脂肪変性・線維化の関連分析、眼瞼下垂の重症度・術後成績とプロスタグランジン系点眼薬の種類、使用歴との因果関係分析、眼瞼下垂と全身疾患との因果関係分析を行う。広範に切除した瞼縁皮膚の組織全体の中での変化の偏りなどを評価していく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は検体の解析のために少数の試薬を購入し実験しており、試薬や人件費が少なく済んだが、次年度はこれまで回収した検体を全て解析するため試薬、人件費が大きくかかる予定である。
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