2022 Fiscal Year Research-status Report
遺伝性網膜変性疾患のゲノム医療実現に向けた大規模な病因遺伝子変異探索
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22K16969
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小柳 俊人 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80880690)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遺伝性疾患 / 網膜色素変性 / 次世代シークエンサー / 臨床的意義不明 / ゲノム医療 / 病因遺伝子変異 / 大規模遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
網膜色素変性(retinitis pigmentosa: RP)は、網膜の変性により進行性の視覚障害をきたす遺伝性疾患群で主要な失明原因疾患の一つである。申請者を含む研究グループはこれまでアジア最大級の病因遺伝子検索を行い多数例の病因変異の同定を行ってきた。しかし、単純に網羅的なシークエンスを行っても、遺伝的な病因が不明な症例が依然として半数以上に存在する。本研究では、約2,500症例の遺伝性網膜変性疾患に対する大規模なシークエンスにより得られた遺伝情報に対して、症例毎の病因遺伝子変異及び臨床的意義不明の変異 (variants of unknown significance: VUS)を特定する。さらに、特定されたVUSの一般集団における変異の頻度の比較や同一のVUSをもつ家系における共分離解析などを行い病原性の証明を行う。また、有力な候補変異については、変異をホモで保有する患者由来のヒトリンパ芽球様細胞株(LCL: Lymphoblastoid Cell line)を樹立し、組織特異的なmRNA解析を行い機能低下を証明することで病原性を確定する。それらにより、本邦の遺伝性網膜変性疾患の新規病因変異の同定および遺伝的診断率の大幅な向上を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RPと類縁疾患(RP and allied diseases)を対象とした約1,290例の追加検体に対してRPの既知の病因遺伝子のTargeted resequenceにより得られた遺伝情報に対して既存の情報との統合解析を施行し、公共のデータベースでの変異の頻度情報、HGMDやClinVar等での病原性に関する登録情報及び近年報告された病因変異の情報を反映させ、ACMGガイドラインに基づく病原性判定を行い、病原性あり(Pathogenic)もしくは病原性を持つ可能性がある(Likely Pathogenic)と判定される変異に基づき症例毎の病因遺伝子変異を特定した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、遺伝性網膜変性疾患の大規模な遺伝子解析により得られた遺伝情報に対して統合解析を進め、最新の遺伝的診断率の算出、集団における病因遺伝子の割合、高頻度変異の特定、層別解析や新規変異の検証等を施行する。さらに、検出されたVUSに対して、頻度の評価、家族解析、発現解析や機能解析等を行い、新規病因変異の特定及び症例毎の病因遺伝子変異の特定率の上昇に寄与するエビデンスの創出を進める。これらの遺伝解析結果に基づき患者データベースを作成し、遺伝子治療などを含めたゲノム医療実現の基盤とする。
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Research Products
(1 results)