2022 Fiscal Year Research-status Report
熱ショックタンパク質と血管内皮増殖因子による網膜神経保護の病態解明
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22K16971
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
波多野 誠 山口大学, 医学部附属病院, 学術研究員(寄附金) (90860669)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HSF / VEGF / 神経保護 / 網膜変性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、HSF1ノックアウトマウスを用いた光誘因性網膜変性モデルを用いることでHSF1-HSP-VEGFカスケードを介した網膜神経保護について研究する。研究実施計画は以下の3つに分けられる。(1)光誘因性網膜変性モデルにおけるVEGFの発現、局在の確認、(2)VEGFによる視細胞のアポトーシスへの変化を確認、(3)VEGFによるミスフォールディングの変化をin vivoおよびin vitroの実験にて明らかにする。 (1)光誘因性網膜変性モデルにおけるVEGFの発現、局在の確認: 未実施である。 (2)VEGFによる視細胞のアポトーシスへの変化を確認: 実施中である。 (3)VEGFによるミスフォールディングの変化を確認: HSF1ノックアウト網膜神経細胞株(661w HSF1-/-)に光照射を行い、TUNEL染色にて細胞死を検出した。VEGFを含め、HSP関連蛋白質の発現ならびに核移行などの局在変化をウエスタンブロッティングおよび細胞免疫染色にて同定中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
(1)光誘因性網膜変性モデルにおけるVEGFの発現、局在の確認: HSF1-/-マウスの出生が不安定となったため、この実験については未実施である。 (2)VEGFによる視細胞のアポトーシスへの変化を確認: 実施中である。VEGFに対するsiRNA、ブロッキング抗体や阻害薬などのマウスへの投与方法について、再現性のあるアッセイの樹立に時間を要している。 (3)VEGFによるミスフォールディングの変化を確認: CRISPER/Cas9 systemによるHSF1ノックアウト網膜神経細胞株(661w HSF1-/-)は既に樹立済みであるが、細胞培養のプレートを大きくするに際して、均一に光照射を行うためのアッセイの樹立に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)光誘因性網膜変性モデルにおけるVEGFの発現、局在の確認: HSF1-/-マウスの出生が不安定であるため、マウス交配数を増やし、出生数の増加を図り実験の実施を予定している。 (2)VEGFによる視細胞のアポトーシスへの変化を確認、(3)VEGFによるミスフォールディングの変化を確認については再現性が取れるアッセイの樹立を図っていく。
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Causes of Carryover |
(1)光誘因性網膜変性モデルにおけるVEGFの発現、局在の確認実験、(2)VEGFによる視細胞のアポトーシスへの変化を確認実験、(3)VEGFによるミスフォールディングの変化を確認実験において研究計画に遅れが出たため、初年度に購入予定だった試薬などを未購入である。次年度では本年度で実施できなかったsiRNA、ブロッキング抗体や阻害薬などを用いて、関連タンパク質の発現、機能抑制を試みる。
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