2022 Fiscal Year Research-status Report
Explainable AIを用いた光干渉断層計による診断と病態解析
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22K16975
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
椎原 秀樹 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 助教 (00837271)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 人工知能 / 光干渉断層計 / 網膜硝子体疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず、深層学習による光干渉断層計(OCT)の層別化プログラムを作成し、この人工知能(AI)モデルが層境界の検出にどの程度の確信度を有しているかを算出し、確率分布のエントロピーからモデルの”不確かさ”を定量化した。そして、この”不確かさ”が、疾患眼の乱れた網膜層構造では上昇するという仮説を基に、不確かさの定量化から疾患眼と正常眼の分類が可能かどうかを検証した。その結果、OCT B-scan画像をAUC=0.92という確度で分類が可能であることが分かった。また網膜各層の異常の有無についても、高い確度で分類が可能であることも分かった。さらにこの"不確かさ"をMAP化することによって、OCT画像のどの層のどの部位に異常があるかを可視化することが可能であった。このことはAIによる疾患の”診断”ではないが、臨床医が疾患を診断する過程における手助けとなるツールとして活用することができる可能性を示唆している。さらに、AIの思考過程である確率分布を定量化する手法であるため、これまでの研究で行われていた深層学習にそのまま分類問題を解かせる手法とは異なり、思考過程が説明できるという優位点が存在する。AIの思考過程のブラックボックスは以前から問題になっており、これを解決する一つの手法として期待できるものと考えている。これらの結果については学会報告及び論文発表(PLOS ONE, 2023)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に検証する計画であったAIモデルによる疾患と正常の分類性能の評価を実施し、論文発表まで行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はAIモデルを活用し、人間の認知が難しい微細な異常所見を検出可能であるかについて検証を行っていく方針である。具体的には糖尿病網膜症初期の一見正常に見えるOCT画像から、ごくわずかな異常の検出を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響もあり、参加を予定していた学会がリモート参加となり、旅費が減額となった。また購入を予定していた物品(PC)について、現在注文中で次年度での予算として購入することとなった。次年度で改めて旅費と物品購入費として使用する計画である。
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