2023 Fiscal Year Annual Research Report
BIA-ALCLを誘導する炎症遷延メカニズムの解明
Project/Area Number |
22K16995
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庄司 未樹 東北大学, 大学病院, 助教 (90645293)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シリコンインプラント / 乳房再建 / 人工物再建 / BIA-ALCL / 異物反応 / C型レクチン受容体 / 慢性炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌術後の乳房再建術や豊胸術において、シリコン製の人工物は広く普及しているが、近年ブレストインプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(BIA-ALCL)がWHOで新たなALCLとして分類され、死亡例も報告されている。これにより2019年7月よりFDAはこれまで本邦で乳房再建に使用していたAllergan社製品の世界的な自主回収を決定した。BIA-ALCLは表面に凹凸のあるテクスチャードタイプの人工物での発生が多いとされているが発生機序は解明されておらず、原因究明が急務である。 本研究では、シリコンに対する生体反応に対してマウスによる動物実験にて網羅的に解析を行い、シリコンの表面形状の違いによる免疫学的反応および関与する反応経路の解明を目的とし、解析を行なった。 我々はこれまでマウスに埋入した異なる表面形状のシリコンシート周囲の被膜を病理学的・免疫学的に解析し、textured typeシリコンはsmooth typeシリコンと比較してTGF-β産生による繊維化および被膜形成が促進すること、マクロファージを中心とした免疫反応が顕著に長く遷延すること、またこれらの反応はCARD9 KOマウスでは抑制されることを明らかとし、シリコンに対する炎症反応にはC型レクチン受容体が関与する可能性を示してきた。 今回、我々はtextured typeシリコンで促進するTGF-βを産生する細胞についてフローサイトメトリーを用いて解析を行い、さらにCARD9より上流のC型レクチン受容体のKOマウスを用いて免疫反応を解析し、より具体的な反応経路の解明を試みた。
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