2022 Fiscal Year Research-status Report
細胞構成の精密解析で見える新しい味蕾像:前駆細胞の分化状態と供給量変動の解明
Project/Area Number |
22K17005
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小柳 江梨子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (20791700)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 味蕾 / 細胞分化 / 味覚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
味蕾は、味受容機能の異なる 3 種類の成熟細胞 (I,II,III 型) とその前駆細胞で未分化な細胞から構成される。味蕾細胞は、皮膚の細胞のように、短い周期で置き換わる。味蕾の細胞が置き換わりながら、私たちがいつも同じように味を感じられるのは、幹細胞から各味蕾にI, II, III型細胞が常にほぼ一定の割合で供給されるからであると考えられてきた。しかし、研究代表者は、味蕾を構成する各細胞型の割合は、味蕾ごとに大きな差があることを見出した。また、個々の味蕾の細胞の総数は 30から100 個と大きな幅がある。これらの知見に基づき、本年度は、味蕾を構成する各細胞型の割合と数が、細胞の置き換わりに伴い変動するか、解明を進めた。 これまで味蕾を解析する多くの研究では、組織切片を用いた解析が行われてきたため、直径が 50 μm 以上にも及ぶ味蕾 1 個に含まれる細胞の数を正確に解析するのは困難であった。そこで本研究では、味蕾 1 個に含まれる全ての細胞を可視化できるホールマウント免疫染色を用いた。 幹細胞から味蕾に供給されるI, II, III型細胞の前駆細胞は、I, II, III型細胞の特徴は認められず、分泌性の細胞増殖・分化誘導因子であるSonic hedgehog (Shh)が特異的に発現する。そこで、Shhの発現と全ての味蕾細胞に発現する分子とを同時に検出して味蕾の構成を解析した。研究開始当初は、免疫染色の検出感度が低く、条件の検討に時間を要した。しかし、多くの検討を経て検出感度を上げることに成功し、現在は再現性がある解析が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ホールマウント免疫染色法により、幹細胞から味蕾に供給されるI, II, III型細胞の前駆細胞と全ての味蕾細胞の検出を行なった。研究開始当初は、免疫染色の検出感度が低く、条件の検討に時間を要した。しかし、多くの検討を経て検出感度を上げることに成功し、現在は再現性がある解析方法を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、確立したホールマウント免疫染色法を用いて、全ての味蕾細胞に発現する分子だけでなくI, II, III型細胞にそれぞれ特異的に発現する分子の解析を進め、味蕾細胞の置き換わりの詳細を明らかにする。
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