2023 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎関連細菌が引き起こす多発性硬化症増悪化メカニズムの解明
Project/Area Number |
22K17011
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡野 徳壽 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (70886663)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インフラマソーム / 歯周炎 / HIF-1a / ROS |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はPg感染によって低酸素特異的にマクロファージへと引き起こされる細胞内代謝変化の1つとして活性酸素種(ROS)の亢進を見出し、さらにROS阻害剤を用いるとPgによるインフラマソームの活性化亢進が減弱することを発見した。当初の目的であった低酸素特異的なPg感染により変化する代謝産物を同定することができたが、どの細胞小器官由来のROSが変化しているのかいまだにつかめていないためさらなる解析が必要である。方法としてはプローブを用いた蛍光染色法が挙げられるが、遺伝子ノックダウンや細胞小器官特異的なROS阻害剤を用いてさらなる予備検討が必要な状況である。また、RNAsequencingの結果から、HIF-1a依存的にSTAT経路の活性化が認められたため、STAT阻害薬を用いてPgによるインフラマソームの活性化を調べた。するとSTAT阻害薬はPg感染による低酸素特異的なインフラマソームの活性化を抑制することが見出された。この結果からSTAT3の下流経路にはPgによるインフラマソーム活性化に関連する遺伝子が存在することが示唆され、ノックアウトマウスを用いた解析を進めていく予定である。さらに、STAT3の上流に存在するJAK1/2の阻害剤を用いて同様の実験を行なった結果、インフラマソームの活性化はむしろ亢進した。以上の結果から、STAT3依存的かつJAK非依存的にインフラマソームの活性化を誘導している可能性が示唆された。 Pg感染によるHIF-1a依存的なインフラマソーム活性化亢進に伴う多発性硬化症増悪化に関する知見はデータをまとめてすでに投稿中である。年内のアクセプトを目指している。
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