2023 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌の抗PD-1抗体治療効果を予測する、免疫応答を多角的に捉えた新規評価系樹立
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22K17012
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西井 直人 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (40836285)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | PD-1阻害抗体 / 免疫プロファイル / 遺伝子変異プロファイル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、PD-1阻害剤を使用した口腔癌患者において、免疫プロファイル、遺伝子変異プロファイル、血液中の好中球リンパ球比率を測定し、複合的なバイオマーカー探索を目的としている。2023年度は、新たに行った条件設定に準じて、多重免疫染色による免疫プロファイル解析を施行した。しかし、PD-1阻害抗体を使用して治療効果を認めた舌癌患者が少なく、免疫プロファイルと治療効果の相関を調べることは困難であった。 遺伝子変異プロファイルについては、遺伝子変異の種類や腫瘍遺伝子変異量と治療効果の関係を調べた。既存の報告と同じく、腫瘍遺伝子変異量と治療効果の関連が考えられたが、症例数が少なくいまだ有意なバイオマーカーは同定されていない。 好中球リンパ球比率についても検討したが、単独では治療効果との関連を認めなかった。これら3項目に順位付けをして、複合的な評価系の樹立を試みた。しかし、免疫プロファイルだけでも50以上の評価項目が有り、遺伝子変異についても変異の種類や変異量など複数の項目が存在するため、どの項目にどれだけの重みをつけて順位付けをするか、どの統計を利用するのか、を調べつつ検討している段階である。 また、PD-1阻害抗体が奏効しなかった場合、他の薬物療法への切り替えを行っているケースが多く、その後に腫瘍縮小効果が見られるケースも見受けられる。PD-1阻害抗体の治療効果が遅れて発現した可能性もあり、このような症例もピックアップして3つの評価項目と治療効果の関係を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
免疫プロファイル、遺伝子変異プロファイル、好中球リンパ球比率それぞれの項目と治療効果の関係を調べたが、有意なバイオマーカーは同定できなかった。これらの項目を組み合わせた評価系の樹立を試みたが、統計学的な問題もあり、いまだ有効な評価系は樹立できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫プロファイル、遺伝子変異プロファイル、好中球リンパ球比率を組み合わせた評価系の樹立を引き続き試みる。統計学的な問題については、データ科学センターに共同研究を依頼することを検討している。
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Causes of Carryover |
症例数が予定より少なかったため。今後、症例数増加を視野に入れている。
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