2022 Fiscal Year Research-status Report
ファーストインクラス低分子化合物を用いるシェーグレン症候群治療の新戦略
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22K17016
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
宮嵜 亮 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (10882433)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 形質細胞様樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
形質細胞様樹状細胞 (pDC)は、微生物あるいは自己の核酸により活性化されると、極めて多 量のI型インターフェロン(IFN)を産生する。このI型IFN産生は、ウイルスなどの感染時に防御 反応として働く一方で、全身性エリテマトーデス(SLE)、およびシェーグレン症候群(SS)などの自己 免疫疾患では病態形成にかかわっている。pDCのI型IFN産生を誘導するメカニズムが明らかに されてきた。Toll様受容体(TLR7, TLR9)が核酸を認識し、その情報が細胞内シグナル伝達分子 (MyD88, IKKαなど)を介し、転写因子(IRF-7, NFATC3)の活性化を誘導することで、I型IFN 遺伝子の転写が始まる。申請者の共同研究者は、pDCに強く発現するEtsファミリー転写因子 Spi-Bが、IRF-7によるI型IFN遺伝子の転写活性化を、相乗的に増強することを明らかにした。 申請者は、Spi-Bによる転写活性の増強メカニズムを詳細 に解析し、Spi-Bと転写コアクチベーターp300の結合が、 転写活性の増強作用に関わることを明らかにした。 in vitroで分化誘導した樹状細胞を用い、TLR7あるいはTLR9刺激を行った時のIFN- α、およびIL-12p40産生が、低分子化合物を含む条件で低 下することを見出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
低分子化合物によるin vitroでのIFN-α産生抑制は確認できたが、メカニズムについての実験の条件設定に難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはin vitroでの低分子化合物ののIFN-α産生抑制メカニズムについての実験の条件設定を行う。
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Causes of Carryover |
今年度予定していた実験が、実験条件を整えるのに時間がかかり、行えなかったため、次年度へ繰り越すこととなった。
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