2022 Fiscal Year Research-status Report
口腔の上皮内癌から微小浸潤癌の発症を再現するオルガノイド型培養系を用いた病態解明
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22K17030
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
嶋田 勝光 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (10782120)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔 / オルガノイド型培養系 / 上皮内癌 / 微小浸潤癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
初代培養歯肉上皮細胞、舌扁平上皮癌細胞株および初代培養歯肉線維芽細胞を用いた各々の3次元培養系を確立した。 初代培養歯肉上皮細胞においては、3次元培養系を確立できる条件設定について再検討した。本細胞は継代数増加や継代条件に応じて増殖能と分化能が低下する。したがって、3次元培養可能な増殖能と分化能を維持する継代数の限界値と継代条件を見出した。 また、初代培養歯肉線維芽細胞においては、線維芽細胞3次元培養用培地にアスコルビン酸誘導体を添加培養することで、細胞自身にコラーゲンを産生させて積層化を行わせることができた。また、コラーゲンゲルに歯肉線維芽細胞を播種することで種々の厚みをもった線維芽細胞層を形成することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初代歯肉上皮細胞の3次元培養:歯肉上皮の3次元培養を行うためには培養細胞の継代数・継代条件に厳密な制限があることがわかった。そのため、3次元培養可能な細胞数が制限され、実験回数が想定より減少した。 初代歯肉線維芽細胞の3次元培養:真皮の線維芽細胞に比べて、現在使用している歯肉線維芽細胞はコラーゲン産生性が低く、十分な積層化層が得られなかった。このため、アスコルビン酸誘導体を添加する手法やコラーゲンゲルを用いた手法を試した。したがって、初代歯肉線維芽細胞を積層化した3次元培養系の完成に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
歯肉上皮組織-歯肉線維性組織および舌扁平上皮癌組織-歯肉線維性組織を作成する。これにより、正常歯肉組織および初期浸潤癌を模した培養系を確立する。
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Causes of Carryover |
初代歯肉線維芽細胞を積層化した3次元培養系の完成に時間を要した。したがって、歯肉上皮組織-歯肉線維性組織および舌扁平上皮癌組織-歯肉線維性組織を作成するための培養関連試薬を含む次年度使用額が生じた。
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