2022 Fiscal Year Annual Research Report
日本人侵襲性歯周炎の疾患関連遺伝子LIPAの機能解析
Project/Area Number |
22K17035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 昌大 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (80909466)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | LIPA / 侵襲性歯周炎 / GWAS / ヒト歯根膜細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒト歯根膜細胞におけるLIPA SNP rs143793106のin vitro機能を解析した。 まず、LIPA SNP rs143793106導入歯根膜細胞におけるLAL酵素活性を測定した。LIPA SNP rs143793106導入歯根膜細胞を石灰化誘導培地にて培養し、培養開始3日目にLIPA基質を添加し、酵素反応させた後、分解産物をフローサイトメーターにて測定することでLAL酵素活性を測定し、LIPA野生型導入歯根膜細胞におけるLAL酵素活性と比較したところ、LIPA SNPrs143793106導入歯根膜細胞において、有意にLAL酵素活性が低下することを見出した。 次に、LIPA SNP rs143793106発現レンチウイルスベクターをヒト歯根膜細胞に導入し、石灰化誘導培地において培養した。培養開始より5日おきに15日目まで、石灰化関連因子 (Type 1 collagen (COL1A1)、Runt-related Transcription Factor 2 (RUNX2) 、及びBone Gamma-Carboxyglutamate Protein (BGLAP)) 、及びLIPAの発現変化をリアルタイムPCR法にて検討し、培養細胞を回収しAlkaline Phosphatase(ALPase)活性測定を行い、さらに、培養開始27日目にアリザリンレッド染色を行い、石灰化物形成能について検討したところ、LIPA野生型導入歯根膜細胞と比較して、LIPA SNP rs143793106導入歯根膜細胞において、石灰化関連因子及びLIPAのmRNA発現、ALPase活性、及び石灰化物形成能は有意に低下することを見出した。 これらの結果より、LIPA SNP rs143793106 は、歯根膜細胞の硬組織形成細胞への分化を負に制御することが示唆された。
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