2022 Fiscal Year Research-status Report
Basic study on the effectiveness of periodontitis risk test by inflammatory disease marker LRG1
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22K17038
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
竹村 翼 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (10882037)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯周炎 / LRG1 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性リウマチ(RA)患者で血中産生量が増加するタンパク質Leucine-rich alpha-2-glycoprotein 1 (LRG1)は歯周病患者でも高いことが分かっている。本研究では『LRG1が歯周病の病態形成に関与している』と仮説を立て、以下のように1)LRG1の歯周病進行における役割、2)LRG1の歯周病検査マーカーとしての有用性、3)抗LRG1療法の歯周病治療に対する有効性について明らかにしていくことを目的にしている。特にLRG1は創傷治癒の遅延、および血管新生に強く関係している。申請者はこれまでに歯周病の原因菌であるPorphyromonas gingivalis(Pg)感染とRAの関連メカニズムについて明らかにしてきた。その知見をもとに、in vitro実験系、モデルマウス、患者血清、および歯肉溝滲出液を用いて研究を遂行する。特にRA患者で上昇するLRG1が歯周病増悪に関与することを突き止めることに焦点を当てる。本研究課題の成果から歯周病患者の早期発見、治療を行うことができ、歯周病と関連する全身疾患の発症を抑制できると考えられる。本年度は、実験1)LRG1の血管内皮細胞および歯周組織由来細胞に対する作用の検討、実験2)歯周組織由来細胞と血管内皮細胞の共培養によるLRG1を介した血管新生への影響、および3)患者由来歯周病組織におけるLRG1発現についての検討を行った。その結果、LRG1は培養細胞の実験系で、TGF-betaとの共刺激で炎症性サイトカインIL-8の誘導に影響することによって炎症の惹起に関与していること、患者の歯周炎の程度と血清LRG1量に相関があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者血清のサンプル採取が順調に進んだので研究は順調に進んでいる。また、歯周炎モデルでのLRG1の解析も予備実験的に可能であることがわかり、詳細なメカニズム解明を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床サンプルとして、これまでに採取した歯周炎患者だけではなく、関節リウマチ患者(治療前)の血清を採取予定である。また、関節リウマチの治療として、生物学的製剤による治療下でのLRG1の動態も検討する。さらにin vitro実験で、血管新生にLRG1がどのように関与しているのか、歯周病原細菌が感染した細胞での検討を行う。
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Causes of Carryover |
患者血清の採取に期間がかかる予定であったが、歯周炎患者の採取が想定以上に早く終わった。したがって、血清成分の精製にかかる試薬を一括して購入使用することができ、使用額が節約できた。次年度は関節リウマチ患者の血清採取も同様に進めていく。並行して歯周炎患者、関節リウマチ患者血清中バイオマーカーの測定範囲を広げて研究を進める。
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Research Products
(2 results)