2023 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病ラットにおけるLPS歯肉溝滴下歯周炎モデルの作製と補体の発症・進行への関与
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22K17043
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山下 恭徳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (10782568)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歯周病 / 糖尿病 / LPS |
Outline of Annual Research Achievements |
Ⅱ型糖尿病を自然発症するレプチン遺伝子(第5 染色体上の単一劣勢突然変異遺伝子fa)異常のインスリン抵抗性モデルとされ、過食、肥満を生じて高血糖、高インスリン血症を示すWistar fatty ラットを用いる。Wistar系ラット雄(WT, 9週齢)と、Wistar fattyラット雄(9週齢)に麻酔下で上顎右側第一臼歯口蓋側歯肉溝にマイクロピペットを用いてAggreg atibacter actinomycetemcomitans Y4由来LPS (50 μg/μl)を懸濁したPBS を滴下投与する。LPS懸濁液 合計18 μl(3 μl×6 回)を1日あたり30 分間滴下し、各滴下の間隔は5分間とする。コントロール(WT)群には同様の方法でPBSを歯肉溝に滴下する。5日目および10日目にマイクロCT撮影を行い、歯槽骨吸収量を測定する。10 回目の滴下の1時間後に屠殺する。Complete Freund’s adjuvant で乳化したA.actinomycetemcomitans LPS 150 μg 含有PBS 0.3 mlを腹腔内投与し、さらに28日後にLPS 150 μgを含有PBS 0.3 mlを腹腔内投与する。屠殺直後に右側上顎骨を摘出し、4%パラホルムアルデヒドを含むリン酸緩衝液(pH7.4)にて4 ℃で10 時間固定する。10%EDTA-2Na(pH7.4) にて4 ℃で3 週間脱灰したのち、AMeX 法にてパラフィン包埋し、上顎右側第一臼歯の頬舌的な連続切片(厚さ4 μm)を作製する。病理組織学的観察のため、切片をH.E.染色し、組織学的計測を行う。H.E.染色切片を光学顕微鏡下で撮影し、セメントエナメル(CEJ)から接合上皮の根面に接した歯冠側端までの距離を計測する。また、CEJ から歯槽骨頂部までの距離を歯槽骨レベルとして計測する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LPS感作群とコントロール群である非LPS感作群で抗 C5b-9抗体による染色像が使用する抗体により、違いがあり、検証が必要である。この問題が解決すれば、論文作成に着手する
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Strategy for Future Research Activity |
破骨細胞の同定のため、各群の切片を用いてTRAP染色を行い、歯槽骨頂部から500 μmの骨面上に存在する多核のTRAP 陽性細胞を、破骨細胞として計測する。さらに、補体活性化検出のために、抗 C5b-9抗体で免疫組織化学染色を行い、その局在部位を確認する。
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Causes of Carryover |
実施予定だった補体活性化検出のために、その局在部位を確認する免疫組織化学染色を行う。次年度に実施するため、必要な抗C5b-9抗体を購入する予定である。
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