2022 Fiscal Year Research-status Report
フッ化ジアンミン銀を応用した根面う蝕除去後の修復方法の確立
Project/Area Number |
22K17052
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 基 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 非常勤講師 (10912751)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | フッ化ジアンミン銀 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年国内外では高齢者・要介護者の根面う蝕の1次予防処置としてフッ化ジアンミン銀(以下SDF)の歯根面への塗布の有効性が非常に高く評価されている。特にわが国は既に超高齢社会であり、高齢者の歯周疾患とう蝕は増加傾向にある(厚生労働 省:平成 28 年度歯科疾患実態調査)。最近のう蝕に関する疫学調査によれば、70-80 歳代のう蝕罹患率は50-60歳代よりも高く、う蝕の増加は歯肉退縮に伴う根面う蝕増加の結果 であると考えられる。本研究の目的は福島(2017)の提唱したSDF法に従って38%SDFを根面う蝕に塗布した際の黒変した部分をう蝕の範囲として除去し、う蝕除去した部位にコンポジットレジンを接着させる際の被着体の接着界面に及ぼす影響について明らかにしていくことにある。プレ実験として牛歯歯根を準備し、歯根中央で歯軸方向にダイヤモンドディスクを用いて半切、耐水研磨紙・ダイヤモンドペーストにて研磨して象牙細管を開口させた試料を作製した。試料を38%SDF塗布群と非塗布群の2群に分けた。接着材を用いてコンポジットレジンを接着・築盛して微小引張接着試験用の試料を作製した。試料は微小引張接着試験を行った。また試料は臨床でのSDF塗布後次回来院時を想定し、SDF塗布後1週間後に微小引張接着試験を行った。本結果を基に本実験を行う。本実験ではSDFで黒変したう蝕除去後の残存象牙質のコンポジットレジン修復を想定した接着への影響について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在研究は順調に進展している。また今後も研究に使用する予定の機材は現有設備であるため、研究を遂行する上で大きな問題なく進展すると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
SDFで黒変したう蝕除去後の残存象牙質のコンポジットレジン修復を想定した接着への影響について検討する。さらに今後は牛歯歯根ではなく、天然のヒト抜去う蝕歯を使用して、より臨床に即したフッ化ジアンミン銀の影響評価を目指していく。
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Causes of Carryover |
(理由)ほとんどの予算は計画に則り、必要な実験器具などの購入・学会参加による情報収集に充てることができたが、本年度はパイロットスタディを行っている段階であり、当初の見込みに比べて支出はわずかに小さくなった。 (使用計画)実験計画書に則り、必要な研究物品を購入する予定であるとともに、次年度は学会に出席して、研究成果を発表する予定である。
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