2023 Fiscal Year Research-status Report
フッ化ジアンミン銀を応用した根面う蝕除去後の修復方法の確立
Project/Area Number |
22K17052
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 基 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (10912751)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 38%フッ化ジアンミン銀 |
Outline of Annual Research Achievements |
フッ化ジアンミン銀系薬剤塗布後の歯根象牙質性状とコンポジットレジンの接着強さについて検討するため、フッ化ジアンミン銀系薬剤としてサホライド(以下38%-SDF)、サホライドRC(以下3.8%-SDF)、Riva Star(以下SDFーKI)を用意した。 薬剤塗布を行う牛歯歯根象牙質表層はダイヤモンドペーストにて研磨し、象牙細管を開口させた状態で上記3種のフッ化ジアンミン銀系薬剤を各添付文書に従って塗布、塗布後1週間暗室にて保管した。 フッ化ジアンミン銀系薬剤塗布による象牙質の黒変を除去することを想定し、各試料は表層0.1mm研削した試料も併せて作製した(以下polish群)。 38%-SDF、3.8%-SDF、SDFーKIをそれぞれ塗布したcontrol群の象牙質試料、polish群の象牙質試料に対してビッカース硬さの比較と微小引張接着試験を行った。 統計処理の結果、ビッカース硬さについては各群に有意差は認められなかった一方、微小引張接着試験の結果は38%-SDFのcontrol群が最も低く、他5群と比較しても有意差が認められた。このことから38%-SDF塗布後の歯根象牙質表面についてはコンポジットレジンの接着強さが著しく低下すると考えられる。また38%-SDF塗布後の銀化合物は象牙質試料表層(0.1mm)に多くが分布しており、象牙質内部にはほとんど存在しないと考えられた。SDFーKIについては試料表面でヨウ化銀を形成し、水洗により銀は流出していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在研究は順調に進展している。また今後も研究に使用する予定の機材は現有設備であるため、研究を遂行する上で大きな問題なく進展すると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
同様の6群について、試料破談面の観察も行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)実験器具の購入による支出が想定より少なく、当初の見込みに比べて支出は小さくなった。 (使用計画)実験計画書に則り、必要な研究物品を購入する予定であるとともに、次年度は学会に出席して、研究成果を発表する予定である。
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