2023 Fiscal Year Research-status Report
2型糖尿病による歯髄血管障害に起因した歯髄炎発生メカニズムの解明と予防法の探索
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22K17056
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高島 葵 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70910793)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 糖化 / 石灰化 / 血流障害 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、糖尿病性神経症様症状が歯髄内で起こるメカニズムの解明と糖化最終産物(AGEs)の産生を阻害する物質を用いることで状態を改善する方法を模索するといった二本柱で進めていく予定であったが、本年度は、糖尿病関連歯痛のメカニズムの解明においては、従来用いている2型糖尿病モデルラットの血流状態を微小血管領域まで含めて可視化にとどまり、十分な状態での病的な血管障害状態を観察にはいたらなかった。さらに、疼痛評価として考えていたTRPチャネルの活性化を免疫組織化学的染色などを指標として、炎症との関わりを探る予定であったが現時点ではTRP抗体による免疫染色の予備実験段階にとどまっている。現時点で想定している血流障害に起因した歯痛と糖尿病性神経障害における非歯原性疼痛との区別をどのように行うかは、血流障害の状態と疼痛指標として考えているTRPチャネルの相関から推察する予定であり、次年度においてはこの辺を順当に進めていきたいと考えている。これにより、糖尿病モデルラットの歯髄内に血管障害に伴う低酸素に関連した炎症の惹起といった器質的変化が認められることから区別が可能であると考えている。歯髄内における炎症の有無、疼痛の評価を行った上で、AGEsが糖尿病歯髄に与える影響を明らかにしたい。さらに、2型糖尿病ラットにAGEs阻害薬を投与し、AGE産生を抑制することで血管の脆弱化を抑え血管障害発生の評価を行い予防的緩和法を検討したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者が2022年8月から2023年5月まで産休・育休を取得しており、また復職後も時短勤務のため当初の予定より遅れている。2024年度より実験を当初の予定通り進めていく予定で計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
血流障害の状態とTRPチャネルの相関から血管障害と疼痛の発言を推察する計画を考えている。これにより、糖尿病モデルラットの歯髄内に血管障害に伴う低酸素に関連した炎症の惹起といった器質的変化が認められることから区別が可能であると考えている。歯髄内における炎症の有無、疼痛の評価を行った上で、AGEsが糖尿病歯髄に与える影響を明らかにしたい。最終的には、2型糖尿病ラットにAGEs阻害薬を投与し、血管の脆弱化を抑え血管障害発生の評価を行い予防的緩和法を検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度は、当初予定していた糖尿病ラットの実験が順調に進み匹数が少なくなったこと、使用する消耗品および解析件数が結果として少なくなったことが上げられる。また学会発表を次年度に持ち越したことなどで次年度使用額が発生した。次年度において糖尿病ラットなどの追加で使用する予定があり予算の使用計画には変更は生じない
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