2023 Fiscal Year Research-status Report
ドーパミンの下流のシグナル経路による象牙質形成機構の解明
Project/Area Number |
22K17061
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
糸山 知宏 九州大学, 大学病院, 助教 (50884433)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 象牙質 / カルシニューリン |
Outline of Annual Research Achievements |
歯の加齢変化の一つとして第二・第三象牙質の形成とそれに伴う歯髄腔の狭窄は報告されているが、そのメカニズムの解析は進んでいない。当研究室では、ラットの象牙芽細胞層においてドーパミンおよびドーパミン受容体が発現し、さらにドーパミンがPKAを介して前象牙芽細胞の前象牙芽細胞の象牙芽細胞関連因子の発現と石灰化物形成を促進することを報告した。これに加え、ドーパミンの下流であるPKAの標的基質がカルシニューリン脱リン酸化されること、さらにカルシニューリン阻害薬が第二象牙質形成を促進することに着目し、ドーパミンとその下流のPKAが象牙質形成を正の制御をしており、カルシニューリンが負の制御をしていると仮説を立てた。昨年度までに、前象牙芽細胞であるKN-3細胞に、カルシニューリンの阻害剤であるFK506を用いて刺激した結果、アリザリンレッドS染色領域の増加を認めた。またFK506およびPKAの阻害剤であるH89を同時に添加し、KN-3細胞を培養した結果、アリザリンレッドS染色領域の増加を認めた。この結果からカルシニューリンがPKAより下流で石灰化を抑制している可能性が示唆された。 カルシニューリンとドーパミンのそれぞれの下流に位置し、相互作用に関連しているDarrpー32の発現を検討した。またKN-3細胞において、Darrp-32のリン酸化について検討した。カルシニューリンによってDarrp-32は、カルシニューリンによって脱リン酸化され、PKAによってリン酸化されることが報告されている。KN-3細胞にFK506を添加した結果、カルシニューリンのリン酸化を認めた。また、ラットにおいて切歯および臼歯でのDarrp-32およびリン酸化Darrp-32の発現を検討したが、どちらの発現もは認められなかった。染色条件等の再考が必要と思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
KN-3細胞の増殖や刺激が安定せず、実験に遅れが出ている。 また、vivoにおいてDarrp-32の発現検討のために、染色条件を検討しており、実験が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ラットでのDarrp-32を検討してきたが、マウスなど、動物種の変更が必要。 また抗体の再考などが必要と考えられる。
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Causes of Carryover |
Darrp-32とリン酸化Darrp-32の抗体をさらに追加で購入することを検討している。また、当研究室でも象牙芽細胞の細胞株を作製することを計画しており、その細胞を用いて、カルシニューリンとドーパミンが象牙芽細胞に与える影響を検討する予定である。
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