2022 Fiscal Year Research-status Report
環境負荷に応答した幹細胞が分泌する細胞外小胞による機能的血管網構築と歯周組織再生
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22K17074
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂口 晃平 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (70801455)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 低酸素 / 細胞外小胞 / エクソソーム / 歯周組織再生 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄間葉系幹細胞由来の細胞外小胞をラット歯周組織欠損モデル(直径1mm)に投与したところ対照群と比較して、欠損部で新生骨形成および新生セメント質の形成がみられた。炎症細胞の浸潤は確認できなかった。in vitroにおいて、ラット歯根膜細胞にPKHで標識した骨髄間葉系幹細胞由来細胞外小胞を投与すると、細胞内で観察され、細胞内に取り込まれることがあきらかとなった。また、細胞外小胞を取り込んだラット歯根膜細胞は、細胞増殖能が増加し、石灰化が亢進し、in vivoにおける新生骨形成や新生セメント質形成を裏付ける結果であった。また、HUVECに細胞外小胞を投与したところ、同様に取り込まれ、tube formation assayの結果より、血管新生を亢進することがあきらかとなった。細胞外小胞から刺激をうけた歯根膜細胞や血管内皮細胞から分泌される液性因子に着目して、サイトカインなどのタンパク質,細胞外小胞の解析もすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともない、物品の納入が遅れたり、研究業務が中断となったりとやや遅滞が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
骨髄間葉系幹細胞由来細胞外小胞による歯周組織再生能があきらかとなった。今後は、低酸素など細胞培養条件を変化させ、歯周組織における各種細胞への動態変化、歯周組織欠損モデルにおける再生能の変化にあたえる影響を検証する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による流通の麻痺、遅滞から、予定していた消耗品の購入が一部困難であった。次年度に購入を行い、in vitro、in vivoいずれの実験においても使用して結果を蓄積していく予定である。
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Research Products
(6 results)