2023 Fiscal Year Research-status Report
環境負荷に応答した幹細胞が分泌する細胞外小胞による機能的血管網構築と歯周組織再生
Project/Area Number |
22K17074
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂口 晃平 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (70801455)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 低酸素 / 細胞外小胞 / エクソソーム / 歯周組織再生 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト骨髄間葉系幹細胞由来の細胞外小胞をラット歯周組織欠損モデルに投与したところ、新生骨形成および新生セメント質の形成がみられ、歯周組織再生能が確認された。ヒト骨髄間葉系幹細胞由来の細胞外小胞はラットの歯根膜細胞や骨髄由来間葉系幹細胞にとりこまれ、細胞増殖を促進する効果があることがあきらかとなった。 低酸素環境で細胞を培養することで種々の細胞が分泌する液性因子の組成が変化することがしられ、細胞生存などに有利に働くことが報告されている。ヒト骨髄間葉系幹細胞を種々な酸素条件で培養した。酸素濃度を1、5、10%(低酸素条件)、21%(通常酸素条件)で設定して培養を実施しそれぞれから培養上清を回収し、超遠心法により細胞外小胞を回収した。 1%酸素の低酸素条件で培養回収した細胞外小胞をナノトラッキングアッセイしたところ、直径が他群より大きく、Qubitアッセイにより細胞外小胞の回収量が他群と比較して増加した。ラット歯根膜細胞に同細胞外小胞を投与して培養したところ、WST assayにて1%酸素条件の細胞外小胞が最も細胞増殖を亢進した。ラット骨髄由来間葉系幹細胞においても同様であった。ヒト臍帯静脈内皮細胞に同細胞外小胞を投与して培養したところ、1%酸素条件の細胞外小胞が最も管腔形成を亢進(管腔総長および管腔分岐数が増加)した。また、1%、5%、10%の低酸素条件の細胞外小胞をラット歯根膜細胞に投与したところ、21%酸素条件とくらべてRunx2、Alpといった骨形成関連遺伝子の発現が通常条件と比べて上昇した。1%、5%、10%間で有意な差はみられなかった。ラット歯根膜細胞にPKHで標識した同細胞外小胞を投与し細胞内の取り込みを観察したが、酸素条件の違いによる有意な差はみられなかった。ラット骨髄間葉系幹細胞においても同様の結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともない、物品の納入が遅れたり、研究業務が中断となったりとやや遅滞が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト骨髄間葉系幹細胞由来細胞外小胞による歯周組織再生能があきらかとなり、in vitroで低酸素条件とくに1%酸素条件で培養回収した細胞外小胞は通常酸素条件と比べ、幹細胞の細胞の増殖および石灰化を亢進する作用を有していることがわかった。 今後は、種々の低酸素条件で回収した細胞外小胞をラット歯周組織欠損モデルに投与して歯周組織再生能を比較する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による流通の麻痺、遅滞から、予定していた消耗品の購入が一部困難であった。次年度に購入を行い、in vitro、in vivoいずれの実験においても使用して結果を蓄積していく予定である。
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Remarks |
新型コロナウイルス感染症による流通の麻痺、遅滞から、予定していた消耗品の購入が一部困難であった。次年度に購入を行い、in vitro、in vivoいずれの実験においても使用して結果を蓄積していく予定である。
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