2023 Fiscal Year Research-status Report
抗スクレロスチン抗体とリン酸オクタカルシウムを応用した骨再生医療の開発
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22K17085
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩間 亮介 東北大学, 歯学研究科, 助教 (20866628)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リン酸オクタカルシウム / 抗スクレロスチン抗体 / 骨再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
外径9mmのトレフィンバーを用いて12週齢ラットの頭蓋骨欠損を作製し、OCP/Collagen複合体を埋入、抗スクレロスチンを全身または局所投与した。コントロール群はOCP/Collagen複合体の埋入のみとした。埋入から8週後に頭蓋骨を回収しマイクロCT撮影を行った。得られた頭蓋骨はホルマリン固定し、その後EDTAにて脱灰した。脱灰後、パラフィン包埋しHE染色、TRAP染色、免疫組織化学染色(Runx2, Osteocalcin, SOST)を行った。抗スクレロスチン抗体を全身投与または局所投与することで、より新生骨形成が促進されることを組織学的、放射線学的に確認した。抗スクレロスチンは骨芽細胞による骨添加を促し、破骨細胞による骨吸収を抑制する作用を示すことが観察された。抗スクレロスチンを全身投与した群においてはOCP顆粒の残存率は低く、多くが骨に置換していた。残存したOCP顆粒周囲のTRAP陽性細胞の存在比も低く観察された。コントロール群においては骨欠損領域の中央には新生骨形成を示さず、瘢痕様の線維組織を豊富に認めた。抗スクレロスチン抗体を投与することによる有害事象として低カルシウム血症や虚血性心疾患が代表されるが、明らかなものは観察されなかった。OCP/Collagenに抗スクレロスチン抗体を浸漬した場合の薬物徐放性について経時的に評価した。薬剤はOCP/Collagen Diskから24時間ほどで放出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoによる評価は順調に進行し、抗スクレロスチン抗体による骨形成促進と骨吸収抑制というデュアルエフェクトが示される結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験は概ね終了したため、in vitroによる評価を進める。更に論文作成・投稿を行っていく。
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Causes of Carryover |
英文校正、投稿料など
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