2022 Fiscal Year Research-status Report
Application of RARg antagonist to periodontal regeneration therapy.
Project/Area Number |
22K17099
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
長尾 麻由 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (00801101)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | RAR / 骨再生 / 石灰化 / 歯周再生療法 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、骨代謝に重要な役割を果たすRARγ(レチノイン酸受容体γ)に着目し、RARγアンタゴニストが骨再生に及ぼす影響を解明する事を目的としている。今年度は、RARγアンタゴニストがマウス頭蓋冠由来株化骨芽細胞であるMC3T3-E1細胞の石灰化に及ぼす影響を検討した。 MC3T3-E1細胞を24wellプレートに5×10^4 cells/well播種し、 生着後にRARγ選択的アンタゴニストであるMM11253(0、1、2.5、5、10uM)を添加し、石灰化培地にて14日間培養した。培養後、細胞を4%PFAで固定しALP染色を行なった。また、96wellプレートにMC3T3-E1細胞0.5×10^4 cells/well播種した後、ELISAにて3、5、7、10日後にALP活性を測定した。 ALP染色の結果、MM11253刺激群はControlと比較してより赤く染色され、濃度依存的にALP活性の亢進が認められた。また、ALP活性をELISAにて検討したところ、濃度依存的にALP活性の上昇傾向を認めた。このことから、RARγアンタゴニストは骨芽細胞のALP活性を促進する可能性が示唆された。 次に、MC3T3-E1細胞をMM11253(0、1、2.5uM)で7日間刺激後、遺伝子発現の変化をPCRにて検討したところ、ALPは濃度依存的に増加した。これらの結果から、RARγアンタゴニストはALP活性を促進することが示唆された。 一方、RunX2の遺伝子発現はRARγアンタゴニストにより変化しなかった。骨芽細胞の分化に関するOCNなどの遺伝子発現がRARγアンタゴニストにより変化するのか、さらなる検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RARγアンタゴニストがマウス骨芽細胞株であるMC3T3-E1細胞のALP活性し、用量依存的に石灰化を促進する可能性がin vitroで示唆された。引き続き他の石灰化に関わる因子や、実際の骨への影響を検討する必要はあるが、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
RARγアンタゴニスト(MM11253)が骨芽細胞の増殖に影響を及ぼすかを検討するため、骨芽細胞を96wellプレートに播種しRARγアンタゴニストを添加した際の増殖能の変化を、BrdU assayにて検討を行う予定である。また、RARγアンタゴニストが骨芽細胞の石灰化に及ぼす影響をアリザリン染色によって石灰化物を染色し、検討を行う予定である。 次にRARγアンタゴニストが骨芽細胞の分化に及ぼす影響を検討するため、PCRにて骨芽細胞の分化や細胞外マトリックス形成に関わる遺伝子の発現(collagen I、OCN、BSP、Spp1、Osx)をPCRにて検討を行う。 また、RARγアンタゴニストの骨増生の効果を検討するため、in vivoでの検討を進めていく予定である。
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