2022 Fiscal Year Research-status Report
ジルコニアインプラントの軟組織付着を目指した表面処理法の構築
Project/Area Number |
22K17100
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
飯沼 陽平 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (60879683)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ジルコニアインプラント / 軟組織付着 / ジルコニア表面改質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジルコニアインプラントが注目され,臨床応用されているが,現在までに骨とのオッセオインテグレーションについての研究も広く報告されている.しかしながら,歯肉上皮の軟組織付着についてはほとんど検討されていない.インプラントと軟組織の付着はインプラント生存率にも関与していると考えられており,その重要性は高い.本研究では,本学で開発したラット臼歯部軟組織モデルへの埋入実験により,ジルコニアインプラントの表面処理が軟組織に及ぼす影響を検討する. インプラント周囲炎予防を目的とし軟組織付着に効果的なジルコニアインプラントを開発するため,天然歯におけるコラーゲン配向に類似した結合組織形成を誘導する表面処理法を探る.欧州で展開されているジルコニアインプラントの原料はすべて日本製であり,本研究の成果を日本発のジルコニアインプラントの臨床応用への糸口とし,製品開発につなげていきたい. 天然歯に類似したコラーゲン線維の垂直配向を目指し,2種類のジルコニアとチタンの軟組織付着強度の比較と,軟組織付着を可能にするジルコニア表面処理について検討を行う.ジルコニアのインプラント体に対して軟組織のコラーゲン線維が垂直配向することを見出し,その表面処理法の有用性について明らかにした(Iinuma et al. Material 2020).本研究では表面処理法をさらに改善し,異なった表面粗さを付与したインプラントを製作し評価する予定である.また,偏光顕微鏡を用いコラーゲン線維の配向の観察に加え,試料を除去した際に試料に付着している軟組織を定量する事で,接着強さ測定を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先行研究ではイットリア添加型ジルコニアを試料として用いたが,今回はセリア添加型も使用することになった.セリア添加型ジルコニアの加工は難しく,加工の設定を決定するの時間がかあかった.また新しい材料のため基礎研究から進める必要になった.そのため現在動物実験までは行いっていない.診療時間に時間を取られことも実験が遅れている要因でもある.
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験の実験モデルは先行研究と同じなので基礎研究が終わり次第動物実験に移行する。診療時間も少し減らして研究時間に当てることとする.
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Causes of Carryover |
研究進行が予定より遅れているため実験動物やオペ器具を購入することはなかった. 次年度は動物実験を行うため実験器具を購入する.
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