2023 Fiscal Year Research-status Report
睡眠時無呼吸症候群用口腔内装置装着時の顎運動経路-各種上下分離型の網羅的検証-
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22K17102
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 恭子 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (60906353)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / 分離型OA / 顎運動測定 / モーションキャプチャー |
Outline of Annual Research Achievements |
閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の治療法の1つである口腔内装置(OA)は主に上下完全固定型(以下,固定型OA)と上下分離型OA(以下,分離型OA)に大別される.固定型OAでは上下マウスピースを完全に固定し,顎運動が制限されるため違和感が危惧されるのに対し,分離型OAは下顎の開口がある程度許容されるというメリットがあるものの,一方で,装置の効果という点においては開口の許容が不利に働く可能性もあり,装置装着時の顎運動経路を十分に検証する必要がある. これまでの研究実績により,現在広く用いられているOAの1つである,上下マウスピースをコネクターにて連結したタイプである2種類の分離型OA装着時の顎運動経路を検証し,開口運動による中咽頭の狭窄作用を生じづらくする可能性を示唆する結果を得た. そこで本研究の目的は,K7およびモーションキャプチャーシステムを使用し,さらに他の2種類の分離型OA(ソムノデントタイプOA・ハーブストアプライアンスタイプOA)の装置装着時の顎運動経路についても検証することで,分離型 OA の開口による影響の全体像を解明しようとするものである. 2023年度までに,ソムノデントタイプOAならびにハーブストアプライアンスタイプOAの製作に関する予備的研究ならびに,モーションキャプチャーシステムを用いた測定を行うための環境整備を終了した. 2024年度からはデータの測定および解析を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
OA製作法の検討などの予備的研究に時間を要し,まだデータ収集を行うことができていない状態にあるため,データ解析やその先の分離型 OA の開口による影響の全体像を解明には至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度までに予備的研究は終了したため,今年度は本格的なデータ収集を行う.個性正常咬合を有する健常被験者を募集し,被験者ごとにハーブストアプライアンスタイプOA,ソムノデントタイプOAを製作,K7及びモーションキャプチャーシステムを使用し,OA装着時の顎運動ならびにオトガイ下部から前頚部の動きも測定し,結果の解析を遂行する. その後は,学会発表と論文化を行い,研究成果を公表する予定である.
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Causes of Carryover |
(理由)被験者を募集したデータ測定まで至っていないため,人件費ならびにOA製作に関わる物品費の使用が計画よりも少なく,次年度使用額が生じた. (使用計画)今年度からは測定を開始できる状況が整ったため,予定どおり人件費ならびにOA製作に関わる物品費に使用する.また,関連学会等への参加のための旅費にも使用する計画としている.
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