2022 Fiscal Year Research-status Report
ウェアラブルデバイスによる要介護高齢者の食事見守り
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22K17108
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
村上 瞳 (戸川瞳) 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (10845879)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / ウェアラブルデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
要介護高齢者・介護給付金は増加しており,わが国において介護費用を抑制することはひっ迫の命題である.特に介護度が高い高齢者には,食事介助・見守りが行われることが多い.高齢者歯科分野において,安全な食事を提供するための手法が報告されてきたが,口腔機能に加えて,食事中に十分な咀嚼がみられるかを評価することは食事選択や窒息予防に必要である.我々は,ウェアラブルデバイス型の耳掛け式咀嚼回数計(bitescan)の開発を進めてきた.本研究では,本装置を応用した要介護高齢者における食事の見守りシステムの確立を提案する.また経時的な高齢者の咀嚼行動と,口腔機能・食形態との関連を明らかにすることを目的とする. 本年は,まず自立高齢者の咀嚼行動の特徴について検討し,口腔機能と咀嚼行動との関連を解析した.対象は地域在住自立高齢者98名(男性33名,女性65名,平均年齢74.8±6.3歳)とした.各対象者に対し,口腔機能低下症の評価7項目を検査した.また,おにぎり1個(100g)を全量摂取させ,咀嚼回数計bitescanを用いて咀嚼行動を計測した.その結果,対象者98名のうち,口腔機能低下症該当者は71名,非該当者は27名であった.口腔機能低下症該当群の咀嚼テンポは,非該当群と比較して有意に遅かったが,咀嚼回数や摂取時間には違いを認めなかった.口腔機能低下症における下位症状別の咀嚼行動比較では,低舌圧に該当した群は非該当群と比較して,咀嚼回数は有意に多く,咀嚼時間は有意に長かった.また,舌口唇運動機能低下該当群の咀嚼テンポは,非該当群と比べて有意に遅かった.一方で,咀嚼能率と咀嚼回数との関係について,両者の間に有意な相関は認められなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス感染症の影響があり,被験者募集に支障が出た.また,産休に入ったので進捗が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
産休・育休を取得しており,科学研究費に関する研究活動も中断する予定としている. その後,本研究活動を再開する予定としており,そのための準備を行う予定としている.
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の影響があり,被験者募集に支障が出たため調査を行うことができず,調査に必要な物品の購入を一部見送った.次年度以降調査を行う際に物品を購入する予定である.
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Research Products
(3 results)