2022 Fiscal Year Research-status Report
支台築造の予知性向上:化学重合型ボンディング材の活用と根管象牙質接着の定量解析
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22K17109
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
弓立 真広 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (20909444)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 根管象牙質接着 / 非破壊観察 / 象牙質接着 / 接着歯学 / 化学重合型ボンディング材 / 支台築造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は光重合型ボンディング材に化学重合性を付与することにより根管象牙質への接着性の変化を確認した. 試料作製:ヒト小臼歯歯根を根管拡大および根管充填後,ポスト部の長さをセメントエナメル境より10 mmに統一して根管形成し,用いるボンディング材により3群に分けた.光重合型ボンディング材として(メガボンドFA,以下FA,クラレノリタケデンタル)を用いた.FAに重合促進剤(DCアクチベーター,以下AC,クラレノリタケデンタル)を加える群についてはメーカー指示どおり光照射する群(FA+AC/L+)と光照射しない群(FA+AC/L-)を作製した.各ボンディング処理後,支台築造用コンポジットレジン(クリフィルDCコア オートミックスONE)をポストスペースに填入し,光照射した.push out試験:試料を37°C水中に24時間浸漬後,歯冠側から1 mmの厚みで歯軸に直交するように試料を6枚(最歯冠側:部位1,最根尖側:部位6)切り出し,小型卓上試験機 (EZ-S,島津製作所)にてクロスヘッドスピード1.0 mm/minで push out試験を行った. 結果:FA/L+群では根尖側に向かうにつれて接着強さが低下し, 部位2は部位1に対し,部位5と部位3に対しに対し有意に低い接着強さを示した.FA+AC/L+群は,すべての部位間に有意な差は認められず,化学重合性を付与することによる根尖側での接着性の向上が確認された.化学重合促進剤を付与するも光照射を行わないFA+AC/L-群は,FA/L+と比較した接着性向上が認められたが,根尖側の部位6部位5は歯冠側の部位1に対し有意に低い接着強さを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の達成度に関しては,化学重合型ボンディング材の特徴を捉えることができており,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでの接着試験の裏付けを行うために,μCTによる非破壊観察をさらに進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
参加予定の学会に新型コロナウイルスの関係のため参加できなかったため,差額が生じた. 今年度は差額分を研究データの保存のためにPC 関連消耗品の購入や接着試験や界面観察を行う際の試料作製過程において必要となる消耗品の購入,また研究成果の英語論文への投稿に関わる費用に使用する予定である.
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