2022 Fiscal Year Research-status Report
大腸菌発現系由来rhBMP-2を応用したMRONJに対する治療・予防薬の開発
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22K17112
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三海 晃弘 岡山大学, 大学病院, 医員 (20845375)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | MRONJ / BMP-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は,これまでの研究をもとに8週齢メスの遺伝子改変マウスを用いてMRONJ様モデルマウスを作製した.具体的には,ZA (0.05 mg/kg)の皮下注射とCY (150 mg/kg)の腹腔内注射を1週間に2回3週間継続し,投与開始から3週間後に上顎第一臼歯の抜歯を行う.抜歯後0,7,14,28日の時点で上顎骨を回収し,4%PFA固定した後,川本法にて凍結切片を作製,血管内皮細胞 (Endomucin), 骨基質 (Osteopontin)の免疫組織化学染色を行った.ZA/CY投与を行わない群を対照群とし,組織学的に,MRONJ様モデルマウスの抜歯窩や周囲骨における血管新生,間葉系幹細胞の集積,骨芽細胞および破骨細胞の集積,骨基質の形成について評価した.その結果,対象群と比較してMRONJ様モデルマウスの抜歯窩周囲骨にける間葉系幹細胞,骨芽細胞および破骨細胞の集積が少ないことが確認された.以上からMRONJモデルマウスの抜歯窩において,治癒に必要とされている血管新生および骨代謝が通常に機能していないことが示唆された. 次にMRONJ様モデルマウスに対して,抜歯直後に,抜歯窩にE-rhBMP-2/ TCP 複合体を移植した.抜歯後7,14,28日の時点でサンプルを回収,組織学的解析を行った.その結果,E-rhBMP-2 / β-TCP複合体を移植した群では,移植を行っていない群と比較して,その全ての細胞が増加していることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MRONJモデルマウス作製の過程で,薬剤の投与により免疫力の弱まったモデルマウスへの抜歯等の侵襲的処置を行うことで,それ以降の研究が継続不可能になることが相次いだ.現在は実験手技等の研究方法を見直すことによりこの問題は解決された.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,MRONJモデルの骨組織はどのような組成や微細構造変化が生じているのか,さらにはE-rhBMP-2含有人工骨移植がMRONJ抜歯窩周囲骨の組成や微細構造にどのような影響を及ぼしているのかを検討する. また,大型動物MRONJモデルにおいて,E-rhBMP-2含有人工骨移植が抜歯窩治癒に及ぼ影響を検討する予定である.
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Causes of Carryover |
本年度は学会発表を行う機会がなく,また当初予定していた学会への参加も行うことができなかったため余金が生じてしまった.次年度は当初の計画通りの学会参加・発表を行う予定である.
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