2022 Fiscal Year Research-status Report
歯の欠損による認知機能低下と腸内細菌の関連についての探索研究
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22K17114
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横井 美有希 広島大学, 病院(歯), 助教 (90826869)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 認知機能 / 歯の喪失 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、歯の喪失が認知機能低下を引き起こすメカニズムを腸内細菌叢に着目して明らかにすることを目的としている。 2022年度は、C57BL6/Jclマウスを用いて実験を行う予定であったが、先行研究において若年マウスでの抜歯による認知機能の低下について明らかにしたため、本研究では老齢期に着目し、短期間で促進老化・短寿命を示す Senescence-Accelerated Mouse Prone (SAMP) 8マウスを用いて動物実験を行った。実験群は12週齢で臼歯の抜歯を行い、6か月後に行動実験(Barnes迷路)を行った後に、糞と脳のサンプルを採取した。行動実験の結果、抜歯群と非抜歯群では有意な差は認められなかった。糞サンプルから腸内細菌叢(メタ16S解析法)と代謝物質(メタボローム)解析を行った。腸内細菌叢の結果は、抜歯群では短鎖脂肪酸産生細菌のAlloprevotellaやプリン代謝経路を有するTuricibacterが特徴的に見られた。 メタボローム解析では、抜歯群と比較して非抜歯群において、抗酸化作用を有するとされているスペルミジンが有意に高い値を示した(P<0.049)。 以上のことから、抜歯により認知機能に有意な差は認められなかったものの、腸内細菌や代謝物質に変化が認められることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験の内容および動物の特性を考慮して、SAMPマウスを使用したため実験期間など若干の実験計画に変更を生じたが、腸内細菌解析や代謝産物の解析も行うことが出来たので、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2022年度に抜歯群と非抜歯群で産生される代謝物に相違がみられるものが明らかとなったため、細胞実験を行い動態を明らかにすることを予定している。また、当初の予定通り、腸内細菌の移植を行い、腸内細菌叢の変化がどのように作用するか明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
腸内細菌および代謝物質の解析を行うために前倒し請求を行ったが、サンプル数の変更があったため次年度使用額が生じた。2023年度は、次年度使用額と併せて、細胞実験および動物実験に使用し、また研究成果を学会にて発表する予定である。
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