2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22K17122
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
三宅 晃子 大阪歯科大学, 医療保健学部, 講師 (40782131)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 義歯 / 寒天粒子 / 清掃 |
Outline of Annual Research Achievements |
主要な義歯床用材料であるポリメチルメタクリレート(PMMA)に付着した模擬汚染物における噴射清掃法の評価を行った。試験片の大きさは約12.0mm×10.0mm×6mmの直方体とし、算術平均粗さ(Ra)を0.15≦Ra≦0.18μmに調整した。模擬汚染物は人工プラークと牛脂汚垢(小林製薬会社供試)を使用した。清掃には噴射加工装置を用いり、噴射条件は圧力0.2MPa、距離20mm、噴射回数1回とした。噴射粒子は寒天粒子S-6とWH-706(伊那食品工業(株)供試)、グリシン粒子、炭酸カルシウム粒子を用いた。試験片の表面構造を光学顕微鏡、断面曲線とRaを触針式表面粗さ計、表面画像と元素解析を卓上型走査電子顕微鏡(SEM)と本SEMに搭載されたエネルギー分散型X線分析装置(EDS)にて評価を行った。10回ずつ測定を行い、各粒子を用いた噴射清掃前後のRaの比較はstudentのt検定、各粒子を用いた噴射清掃前後のRaの差の比較は一元配置分散分析(事後検定としてTukeyの多重比較)を用いた。有意水準は0.05とした。 光学顕微鏡を用いた表面構造観察や断面曲線の結果から、寒天粒子を用いた噴射清掃は、汚染前と清掃後で表面構造に変化を認めず、グリシン粒子や炭酸カルシウム粒子を用いた噴射清掃は、清掃後に表面構造が変化した。EDSの結果から、粒子の種類に関係なく模擬汚れを除去できた。寒天粒子を用いた清掃は清掃前後でRaに有意な差を認めず、グリシン粒子と炭酸カルシウム粒子を用いた清掃は清掃前後でRaが有意に増大した。寒天粒子を用いた噴射清掃前後のRaの差は、グリシン粒子と炭酸カルシウム粒子を用いた清掃前後のRaの差と比較して有意に低かった。 以上の結果より、寒天粒子を用いた噴射清掃はPMMAの表面構造を変化させず、模擬汚染物を除去でき、新規義歯清掃法として用いることができる一端を示した。
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