2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K17123
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
田代 悠一郎 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (50823514)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 抗菌性義歯 / ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢社会において、補綴装置上の汚れは、誤嚥性肺炎、義歯性口内炎および口角炎を引き起こしやすく、口腔内の衛生管理は必要不可欠である。本研究では,細菌付着を抑制し,義歯の機械的性質を劣化させない新規義歯用材料を開発することで,高齢者の患者においても口腔内の清掃状態を管理し,患者のQOLを維持できる補綴材料の提供を目指す.配合材料として濃アルカリ処理による化学合成法にて作製したチタニアナノチューブ(TNT)を使用する.また,一般的に義歯床材料として使用されているPMMAを義歯材料として重合時にTNTを配合する.配合するTNTの配合率が0%のものを対照群,3%,6%,9%のものを実験群とし,各種試験材料を作製した.各試験材料はSEM,SPM,XPSで表面性状の評価を行った後,Live/Dead染色による蛍光顕微鏡観察により黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureusのバイオフィルム形成量の評価を行った.測定は各3回ずつ行い,60分間後の計測値に対して一元配置分散分析により統計解析を行った.もし有意差を認めた場合,Bonferroniの多重比較によって検討を行う.なお,有意水準は5%未満とした.各種表面観察により,TNT配合PMMA表面にアパタイト結晶が含有されていることが確認された.バイオフィルム形成量の評価では対照群と比較してHA配合3%,6%,9%の順にバイオフィルム形成量が少ないことが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者である大阪大学関野教授の協力の下,TNTの製作を大阪歯科大学にて行うことに成功した.すでに抗菌性義歯の評価プロトコルは確立しており,次年度に向けて評価を開始している.
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Strategy for Future Research Activity |
細菌実験はすでに開始しているが,今後使用細菌を追加して解析を継続していく.また,申請者が長く研究しているQCMセンサに本材料を再現することで,評価を継続する予定である.
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Causes of Carryover |
次年度に使用するQCM関連消耗品の注文を年度末に行い,次年度の請求となったため.
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Research Products
(2 results)