2022 Fiscal Year Research-status Report
次世代シークエンサーを用いた簡易的検体採取による口腔癌新規スクリーニング法の確立
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22K17150
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
纐纈 衆 東北大学, 歯学研究科, 講師 (20806335)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 口腔細菌叢 / メタゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、次世代シークエンサーを用い、細菌叢のメタゲノム解析による広範囲顎骨支持型装置の治療効果判定・口腔機能回復の予後予測解析を目指す。次世代シークエンサーの登場ならびにバイオインフォマティクスによる解析技術の向上により、消化器疾患のさらなる治療展開が期待されている。口腔は唾液などの検体が極めて採取しやすい器官である。メタゲノム解析での顎骨再建治療術後の補綴治療効果の判定が達成されれば、より効果的・非侵襲・効果的・簡易的な診断・治療が期待できる。以下の3つの方法により、細菌叢分析を臨床応用に発展させる。 (1) 口腔癌患者再建術患者の口腔検体による細菌叢メタゲノム解析による評価、 (2) 広範囲顎骨支持型装置による口腔機能改善に伴う補綴治療前後での細菌叢変化の評価、 (3) インプラント治療合併症やオーラルフレイルに関連する菌腫に対し、新たな治療戦略(予防・診断・治療)を確立 現在、口腔検体148検体の唾液・歯垢・舌苔を採取し,それぞれの細菌叢を次世代シークエンサーによる16SrRNA解析を行い両群の比較を行った。ある特定の菌種、特に網レベルでの解析、種レベルでの解析結果で、腫瘍進展・発症と相関があることが明らかになった。また口腔検体の間、唾液・歯垢・舌苔の間でも解析された細菌叢に違いがあり、今後は腫瘍発癌により特異的な菌種の同定、腫瘍予後や病期、組織学的検索結果との相関を検索する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検体採取は口腔がん・口腔前がん病変症例の唾液・歯垢・舌苔を合計150例450検体の検体採取をおこなった。 また約100例の300検体の解析を終えており、おおむね研究計画は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
また解析は試薬・機材の制限があり1回80-100例単位で行うため、令和5年度上半期に口腔がん前がん病変100例程度の追加解析を行う。 病理組織学的結果や免疫組織学検索結果、予後を含む臨床的因子と口腔細菌叢メタゲノム解析結果との相関を調査する。
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Causes of Carryover |
研究が予定より進捗しているため
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